ぷらざINFO/この街の仲間たち

佐久点字サークル 「コスモス」

発足35年の点字サークル

佐久市の点字講習会を受講したメンバーが「知識を活かしてボランティア活動につなげたい」と1989年に発足。毎月第2木曜日に佐久市福祉総合センターで活動をしています。主な活動は依頼された文書の点訳。個人から頼まれた本の点訳、佐久市障害者自立生活支援センターが開催する講座で使う歌詞カード、料理レシピの点訳などを行っています。また、小中学校で行われる福祉教室での点字体験講師も務めています。

現在メンバーは50〜60代の8人。うち2人が視覚に障がいのある方です。点字講習会への参加がきっかけの人や他県で点訳ボランティアの経験がある人、福祉体験会で点字に興味を持って始めた人など入会の経歴はさまざまです。子育てを終え、仕事をリタイアしてできた時間を有意義に使いたいという思いで始めた方が多いそうです。

「一緒に活動してくれる仲間を随時募集中です」と仲間の皆さん。7月23・30日、8月6日には「あいとぴあ臼田」で点字体験会を開催予定

ニーズにあったものを届けたい

活動の主軸の点訳は、ひとつのものを全員で分担して行っています。「必要な方に必要なものを届けたい」というのがメンバーの総意で、過去には小説まるまる1冊を点訳したこともあるそう。点訳したものは視覚に障がいを持っている方に読んでもらい確認しています。「触って読むのはとても難しく健常者にはできません。当事者に読んでいただき、より読みやすくなるようアドバイスをもらいます」とメンバーの高見沢さんは話してくれました。

 

点字体験会を開催

点字を用いた福祉体験会の様子。学校でも体験講座を行っています。

特別な資格は必要なく、気持ちと時間があれば誰でもできるのが点訳。「本が好きな人、黙々と作業をするのが好きな人にも向いています」と代表の水島さん。世の中の役に立っていると思えることもやりがいのひとつだそうです。「家電や食品容器にも点字サインがつけられていて、点字は意外と身近にあります。地域の人たちの理解が深まるように、そして多くの場所で点字の話をさせてもらえるよう活動していきたい」と水島さん。点字を通じて人と人を繋ぐ輪を作る活動はこれからも続いていくことでしょう。