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ショートトラックスピードスケート選手 林 康生さん

はやし こうせい 2003年南牧村生まれ 地球環境高等学校3年 小学1年生から帝産クラブに所属 2020ローザンヌユースオリンピック競技大会ショートトラック日本代表 2020年9月長野県ショートトラックスピードスケート選手権野辺山大会男子3000mに出場し日本新記録で優勝

 

 スケート一家に育つ

両親ともにショートトラック競技の元選手で、母親は長野五輪にも出場しました。兄、弟、妹の4人きょうだいで、全員スケート競技に携わるスケート一家。母親が野辺山にある帝産クラブのコーチをしているため、小学1年生のときに帝産クラブに入りました。兄(トヨタ自動車スケート部所属・林伊吹選手)は小さい頃から目標とする存在で、いつも背中を追いかけてきましたが、兄弟ともに相当な負けず嫌いなので、追いついては離されるの繰り返し。互いに競い合って練習をしてきました。
低学年の時にジュニアの大会で全国優勝しましたが、小学6年生のときにはレースで転んだり、スケーティング技術に限界を感じたりするようになりました。そんなとき、両親が韓国選手の練習に参加する機会を作ってくれました。家族で韓国へ行き、父親、兄、弟と一緒に3ヶ月間練習に参加。日本でしてきたこととは異なる知識や技術を学び、滑りも変わりました。両親にはテクニックを教わるだけでなく、試合前のモチベーションの上げ方や、持続させる方法についてのアドバイスももらいます。「ベストを尽くせばいい」と、気負わせずに心が落ち着くような送り出し方をしてくれるのもありがたいです。

 

日本スケート連盟ショートトラックジュニア強化選手にも選ばれています

  ショートトラックの魅力

中学生まではショートトラックとスピードスケートの両方をしていましたが、高校生になってからはショートトラック1本です。抜き合いの中で接触することもあるのでスリルはありますが楽しいです。ショートトラックは1日に何試合もあるので、1試合目でいいレースができると流れができ、自分より強いと思っている選手に勝てることも。試合では、いつ、どのタイミングで仕掛けるか、前に出るかなどの駆け引きが重要になります。メンバーを見てある程度の展開は予想できるので、大まかな対策を練って望んでいますが、試合になると緊張してしまうので、一瞬の判断を間違えないように、冷静でいることも大事。普段は滑りと判断力の両方を鍛える練習を心がけています。持久力と根性はある方なので、試合では先頭を牽いて勝つことが多いです。負けず嫌いの性格のため、辛くても粘れるのが強みだと思っています。
スケートの練習が第1ですが、時間のあるときは家業の農業も手伝っています。趣味は自転車。春は陸上トレーニングの時期なので、トレーニングを兼ねてロードバイクでサイクリングをしています。

 

2020年12月に開催された全日本ジュニアショートトラックスピードスケート選手権大会・男子1500mで優勝

 目標は世界選手権などで金

2020年9月に開催された長野県ショートトラックスピードスケート選手権野辺山大会に出場し、男子3000mを日本新記録で優勝しました。今シーズン調子が良かったのは伊藤雅敏コーチのおかげです。通常の練習スケジュールがない日でも「練習をしたい」と言えば応えてくださり、充実した練習内容で、自分のしたいことができました。通信制高校なので学校に行くのは週に1回。時間があるので差をつけられるのは今だと思い練習に打ち込んでいます。
2022年の北京五輪を狙っていますが、オリンピックに限らず、世界選手権などでの金メダルを獲るのが目標です。