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(2025年3月25日)
はらだ すい 2003年御代田町生まれ 幼少期から家業の造園の仕事を手伝いながら育ち、高校3年生時に造園技能士3級を取得 高校卒業後、株式会社Raven入社 第62回技能五輪全国大会造園競技に長野県代表として出場し銀賞を受賞
祖父の代に創業した造園業の家に生まれ、保育園に通う頃から、剪定のごみの片付けを手伝うなど、庭仕事をすることが当たり前の環境でした。高校時代は学校に行きながら家の仕事を手伝っていたので卒業後の進路は自然な流れで造園業を選びました。「やりたい」と強く心に決めていたわけではありませんが、自分の中で他の選択肢はなく、迷いはありませんでした。
祖父には幼少期から各地にある自然の景勝地に連れて行ってもらいました。その風景は今でも脳裏に焼き付いています。
「造園は芸術」という考えのもと、中学3年から生花も習っています。感性が磨かれ、精神が研ぎ澄まされるので、庭造りの仕事にも活かされていると思います。
2024年11月、愛知県で開催された技能五輪全国大会の造園競技に長野県代表として出場しました。2023年は従兄弟の上野輪さんとペアで出場し、銀賞を受賞していたので、個人で出場した今回は、最高賞の金賞獲得を目標にしていました。
大会は決められた寸法の区画の中に2日間かけて図面の庭を造るという課題に挑みます。図面が発表された3ヶ月前から毎日練習に励みました。1日目は6時間、2日目は4時間という制限時間があるので、作業の時間配分を考え、ラスト2週間は通しで練習し、本番に臨みました。「自然の美しさをいかに表すか」を作庭のテーマにし、生花経験を活かして、アピールポイントは植栽にしました。自由なデザインで造れる竹垣は、重厚な見た目で作製にも時間のかかる大津垣にするなど工夫をし、材料の無駄も出ないよう心掛けて作業をしました。周りからの評価も良く、自分の中でも手応えがあったのですが、結果は銀賞でした。悔しさが残る結果ではありましたが、今後の仕事に活かせる貴重な経験ができました。
また、大会前の3ヶ月間は、大会に向けて課題に取り組むことを優先し、練習用のコートや材料の用意など環境を整えてもらいました。技術面は造園連佐久分会の職人の方々にご指導いただき、仕事だけでは得られないものをたくさん吸収することができました。技術面で成長したのはもちろん、仕事に対する姿勢、精神面でも大きく成長でき、自信につながりました。
庭造りで目指しているのは「自然の美しさを体現できる庭」。作庭も手入れも完成した瞬間や出来上がっていく瞬間に自分の思い描いていた美しさを造り上げられたと実感できるときがあり、楽しさややりがいを感じられる瞬間でもあります。集中して作業に没頭している時間も好きです。大変なこともありますが、毎回の作業の中で一歩でも前進できるよう、今回の経験を日々の仕事に反映させたいと思っています。
祖父や父親には「草刈りにしても落ち葉掃除にしても、プロ意識と責任を持って庭造りと同じようにやること」と教えられてきました。会社には10代・20代の若い職人が多いので、下の世代にとっても良い刺激になったのではと思います。大会で培った技術を仲間と共有して切磋琢磨し、一緒に成長していきたいです。
月刊ぷらざ編集部(株式会社信州広告社)
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はらだ すい 2003年御代田町生まれ 幼少期から家業の造園の仕事を手伝いながら育ち、高校3年生時に造園技能士3級を取得 高校卒業後、株式会社Raven入社 第62回技能五輪全国大会造園競技に長野県代表として出場し銀賞を受賞
庭仕事が当たり前
祖父の代に創業した造園業の家に生まれ、保育園に通う頃から、剪定のごみの片付けを手伝うなど、庭仕事をすることが当たり前の環境でした。高校時代は学校に行きながら家の仕事を手伝っていたので卒業後の進路は自然な流れで造園業を選びました。「やりたい」と強く心に決めていたわけではありませんが、自分の中で他の選択肢はなく、迷いはありませんでした。
祖父には幼少期から各地にある自然の景勝地に連れて行ってもらいました。その風景は今でも脳裏に焼き付いています。
「造園は芸術」という考えのもと、中学3年から生花も習っています。感性が磨かれ、精神が研ぎ澄まされるので、庭造りの仕事にも活かされていると思います。
技能五輪全国大会で銀賞
2024年11月、愛知県で開催された技能五輪全国大会の造園競技に長野県代表として出場しました。2023年は従兄弟の上野輪さんとペアで出場し、銀賞を受賞していたので、個人で出場した今回は、最高賞の金賞獲得を目標にしていました。
大会は決められた寸法の区画の中に2日間かけて図面の庭を造るという課題に挑みます。図面が発表された3ヶ月前から毎日練習に励みました。1日目は6時間、2日目は4時間という制限時間があるので、作業の時間配分を考え、ラスト2週間は通しで練習し、本番に臨みました。「自然の美しさをいかに表すか」を作庭のテーマにし、生花経験を活かして、アピールポイントは植栽にしました。自由なデザインで造れる竹垣は、重厚な見た目で作製にも時間のかかる大津垣にするなど工夫をし、材料の無駄も出ないよう心掛けて作業をしました。周りからの評価も良く、自分の中でも手応えがあったのですが、結果は銀賞でした。悔しさが残る結果ではありましたが、今後の仕事に活かせる貴重な経験ができました。
また、大会前の3ヶ月間は、大会に向けて課題に取り組むことを優先し、練習用のコートや材料の用意など環境を整えてもらいました。技術面は造園連佐久分会の職人の方々にご指導いただき、仕事だけでは得られないものをたくさん吸収することができました。技術面で成長したのはもちろん、仕事に対する姿勢、精神面でも大きく成長でき、自信につながりました。
常にプロ意識を持って
庭造りで目指しているのは「自然の美しさを体現できる庭」。作庭も手入れも完成した瞬間や出来上がっていく瞬間に自分の思い描いていた美しさを造り上げられたと実感できるときがあり、楽しさややりがいを感じられる瞬間でもあります。集中して作業に没頭している時間も好きです。大変なこともありますが、毎回の作業の中で一歩でも前進できるよう、今回の経験を日々の仕事に反映させたいと思っています。
祖父や父親には「草刈りにしても落ち葉掃除にしても、プロ意識と責任を持って庭造りと同じようにやること」と教えられてきました。会社には10代・20代の若い職人が多いので、下の世代にとっても良い刺激になったのではと思います。大会で培った技術を仲間と共有して切磋琢磨し、一緒に成長していきたいです。