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レーシングドライバー・ eモータースポーツドライバー 黒沢 和真さん

くろさわ かずま 2007年佐久市臼田生まれ 長野県岩村田高等学校2年生 実車フォーミュラカードライバーであり、eモータースポーツでは全国都道府県対抗eスポーツ選手権で4年連続長野県1位全国大会出場 HC GALLERY頂上決戦2025優勝

実車とバーチャルの二刀流

幼い頃から車に興味があり、ミニカーを集めたり、映画「カーズ」に登場するカーレースの世界が好きでした。5歳のときに安曇野のカート場で初めてカートに乗りましたが、自分でカートを運転してコースをかけ抜けるのが楽しく、その後ひんぱんにカート場へ通うようになりました。小学5年生のときにレーシングチームのメンバーに誘われ、池田町のレーシングチームに入りました。レースに出るようになるとカートがより楽しくなり、さらに上のカテゴリーを目指すこと、プロのレーシングドライバーになることが目標になりました。

実車カートレースと並行して、小学生の頃からバーチャルのモータースポーツゲームもしています。最初は普通にゲームとして楽しんでいたのですが、2019年から国体にeスポーツ部門ができることを知り、本格的に取り組むようになりました。

2021年から4年連続長野県1位になり、都道府県対抗のeスポーツ選手権の県の代表として全国大会にも出場しました。eスポーツもプロのレーシングドライバーになるための重要なステップのひとつと考え、真剣に取り組んでいます。

右/鈴鹿サーキットにて。実車では「F110CUP
2025」のスカラシップを獲得し、3月にフォーミュラレースデビュー予定

eスポーツのプロチームと契約

2025年1月11日にeモータースポーツの大会「H‌C GALLERY頂上決戦2025」に出場。約300人参加しましたが予選を1位で通過し、決勝でも1位を獲得。これまでの実績も評価され、再春館製薬グループ会社のeスポーツチームへの所属が決まりました。選手のひとりとしてeスポーツのプロリーグに参戦しますが、まずはリーグで活躍してチームに貢献できるように頑張りたいと思います。

実車レースでは、プロドライバーを目指し、現在大手自動車メーカーのレーシングスクールの入校テストに挑戦中です。難関を突破して入校し、F4(フォーミュラ4)参戦を目標にワークスのスカラシップ獲得を目指します。最終目標はスーパーGTやスーパーフォーミュラ、海外のF2(フォーミュラ2)に参戦できるレーシングドライバーになることです。

プロのレーシングドライバーを目指す

左/2025年1月に開催された「HC GALLERY頂上決戦2025」の決勝戦の様子。見事1位でフィニッシュし、実車のJAF公式戦の出場権を獲得しました

カーレースの魅力は、Gがかかる感覚やタイヤから伝わる振動など、モータースポーツ独自の感覚が味わえるところです。実車でのレースは、エンジンやマシンの性能で大きく差が出ることもあり、ドライバーのテクニックではカバーできないところもあります。その点バーチャルは自分の実力がそのまま出るので、テクニックを磨き順位をあげることができるのが醍醐味です。

実車でもバーチャルでも「最後まで諦めないこと」が自分の強みです。レース中に順位が落ちても「諦めずに最後まで走り切ろう!」と決めて挑んでいます。これまでも諦めずに前向きにチャレンジしたことで良い結果が出せていると感じています。

両親はeスポーツのための機材を揃えてくれて、実車では鈴鹿や富士などのサーキット場への送迎など様々な面で支えてくれています。家族のおかげで好きなことに全力で打ち込め、今日の自分があると思います。プロになることが一番の恩返しだと思うので、目標に向かって頑張りたいです。