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(2013年10月31日)
●オーボエ奏者 上原 朋子さん
1992年東京都生まれ 浅間中学校、小諸高校音楽科を経て、東京藝術大学音楽学部入学 2012年よりドイツ・カールスルーエ音楽大学在学中 09年長野県新人演奏会出演 第10回日本ジュニア管打楽器コンクール金賞受賞
オーボエと出会ったのは、浅間中学校での部活でした。入学式で演奏された「威風堂々」の曲を聴いて、吹奏楽部に一気に惹かれたのです。入部後はひと通り楽器をやってからパートを決めるのですが、その時顧問の先生に「君はオーボエに向いている、目を見たらわかる」と、そそのかされて(笑)。でも、そうして関わった楽器がすごく楽しくて、県で一番のオーボエ奏者になりたいと思いながら、中学時代を過ごしてきました。
プロになるつもりはなかったのですが、一方で、部活としての音楽ではなく、もっと深いところで真剣に音楽を突き詰めたい自分がいることも、次第に自覚してきました。そんな時、音楽科のある高校を薦めてくれたのが、行きつけの楽器店の店長さんだったのです。そこから小諸高校の音楽科、東京藝術大学へと進んだことで、現在があるように思います。中学の頃の部活動は、今の自分の基盤であり、原点です。
藝大では同期の仲間4人でオーボエカルテット「上野チャルメーラ」を結成。2011年3月という日本にとって大変な時期での結成でしたが、北海道でのデビュー公演をはじめ、岩手や青森、東京など、全国各地でチャリティー公演を行わせてもらいました。居酒屋からカレー店、大きな文化ホールまで舞台はさまざま。音楽で人を励ますというより、音楽が人の痛みに寄り添えるのだと、実感しながらの活動でした。
その後、大学3年次にドイツの音楽大学に編入。ほかのメンバーも、院に進んだり、オーケストラに就職が決まったり、違う道を歩み始めましたが、4人での活動はこれからも少しずつ続けていくつもりです。
今は南ドイツのカールスルーエという町で、自分なりの演奏を模索しています。ドイツに来てから、音楽との向き合い方が変わった感じ。今までは追われるようにタイトなスケジュールをこなして、それを当たり前と感じていましたが、観光に出かけたり、友人とマーケットに行ったり、練習と同時に、自分の生活も楽しむようになりました。
自分をドイツに誘ってくださった先生は、体全体で音楽の楽しさを伝えてくれる人でした。上手に吹きたいということに囚われすぎ、オーボエも音楽自体も苦しく感じていた時に、先生の演奏を聴いて「ああ、音楽ってこんなに楽しかったな」と、原点に立ち返れたのです。その思いをずっと忘れないようにしたいですね。
最近やっと自分の将来像もイメージできるようになってきました。音楽で稼げるのかという不安は常にありますが、オーケストラのメンバーとして吹いていきたい。結局、人と一緒に演奏するのが好きなんだと思います。
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上原 朋子さん
1992年東京都生まれ 浅間中学校、小諸高校音楽科を経て、東京藝術大学音楽学部入学
2012年よりドイツ・カールスルーエ音楽大学在学中 09年長野県新人演奏会出演 第10回日本ジュニア管打楽器コンクール金賞受賞
部活から音楽専門の道へ
オーボエと出会ったのは、浅間中学校での部活でした。入学式で演奏された「威風堂々」の曲を聴いて、吹奏楽部に一気に惹かれたのです。入部後はひと通り楽器をやってからパートを決めるのですが、その時顧問の先生に「君はオーボエに向いている、目を見たらわかる」と、そそのかされて(笑)。でも、そうして関わった楽器がすごく楽しくて、県で一番のオーボエ奏者になりたいと思いながら、中学時代を過ごしてきました。
藝大では同期の仲間4人でオーボエカルテット「上野チャルメーラ」を結成。2011年3月という日本にとって大変な時期での結成でしたが、北海道でのデビュー公演をはじめ、岩手や青森、東京など、全国各地でチャリティー公演を行わせてもらいました。居酒屋からカレー店、大きな文化ホールまで舞台はさまざま。音楽で人を励ますというより、音楽が人の痛みに寄り添えるのだと、実感しながらの活動でした。
その後、大学3年次にドイツの音楽大学に編入。ほかのメンバーも、院に進んだり、オーケストラに就職が決まったり、違う道を歩み始めましたが、4人での活動はこれからも少しずつ続けていくつもりです。
音楽の楽しさを心に留めて
今は南ドイツのカールスルーエという町で、自分なりの演奏を模索しています。ドイツに来てから、音楽との向き合い方が変わった感じ。今までは追われるようにタイトなスケジュールをこなして、それを当たり前と感じていましたが、観光に出かけたり、友人とマーケットに行ったり、練習と同時に、自分の生活も楽しむようになりました。
最近やっと自分の将来像もイメージできるようになってきました。音楽で稼げるのかという不安は常にありますが、オーケストラのメンバーとして吹いていきたい。結局、人と一緒に演奏するのが好きなんだと思います。