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(2019年7月25日)
たかはし びわ 1972年東京都生まれ 佐久市御馬寄在住 武蔵野美術大学油絵学科卒業 2000年第1回武井武雄記念日本童画大賞展審査員特別賞受賞 2014年日本酒「真澄」のアーティストラベル、「くつかけテラス」ポスターを制作 7月28日〜8月25日心の花美術館(上田市中央)「愉快などうぶつ展」に出品
芸術への憧れを募らせて
小さい頃から絵を描くことが好きでした。中学生の頃でしょうか、お寿司についている葉っぱ(バラン)を庭の草の中に並べ、キャプション(作品の説明書き)をつけアート展のような遊びをしていました。時はバブル全盛期。ゴッホの絵画を日本企業が購入するなど美術がブームになっていた時代で、芸術への憧れを募らせていったのだと思います。油絵の具が自由に使えるというので、高校では美術部に入りましたが指導者がおらず好きなものを自己流で描いていました。道具の使い方も知らなかったので、筆を洗う油を溶き油として使っていて、教育実習生に「それは新しい技法?!」と言われ、ようやくそこで正しい使い方を教えてもらうような状態でした。 絵を描くだけでなく、作曲など、ものを作ることに興味がありましたが、実際にそれらを仕事にするとは思ってもいませんでした。高校3年生の冬休みに進路を迫られ美術大学への進学を決意。すぐ受験だったので、前日に買ったばかりの絵の具セットを持って行きました。受験勉強も絵の勉強もしていなかったので受かるはずもなく、2浪して武蔵野美術大学に入りました。
ペンギンを主題に
羽根つきをするペンギンを描いた『はねつかむ』2018年http://takahashibiwa.web.fc2.com
大学では油絵を中心に、インスタレーションや造形、色鉛筆画などいろいろなことを学びました。大学2年生の時に両親は佐久に移住。ひとり東京で学生生活を送っていましたが、もともと喘息、アトピー体質で卒業を前に体調を崩してしまい、24歳のときに両親が住む佐久に移住しました。以来、佐久を拠点に創作活動を続けています。こちらに来た当初は車の運転もできなかったので、刺激が足りないと思ったりもしましたが、むしろそれが良かったのかなとも思います。 2006年頃からはペンギンを描いています。よちよちしていて弱い存在のようですが、実は羽ばたきの強さは人間の骨を折るほど強いという逆説的なところに惹かれました。2本足で立つ姿はどこか人間のようです。今年4月〜7月に美術館で個展「たかはしびわの現代アート 美術館がペンギンでいっぱい(山ノ内町立志賀高原ロマン美術館)」を開催。ギャラリーでの個展はよく行いますが、大きな美術館での個展は初めて。絵画から立体作品までペンギンを主題にした作品300点を並べました。この夏開催の「愉快などうぶつ展(心の花美術館)」にもペンギンの作品を出品しています。
目の前の絵に集中したい
御馬寄のアトリエにて。学校の給食で出たビワの種を家の庭に放ったら芽が出てきたことから「びわ」を画号に
最近ではぶら下げ系の作品「ゆるコラージュ」を提唱し、インスタレーション作品を作っています。洋服を買った時についてきたタグを壁にぶら下げていた様子にヒントを得てはじめたのですが、何気ない様子を作品として捉えてみることでおもしろさを発見することができます。 20年作家活動をしてきました。若い頃は「もっとすごいことができるはず」と肩に力が入っていましたが、今は目の前の1枚1枚の絵に集中していきたいと思っています。これからのペンギンには強い部分だけでなく穏やかさやのんびり感も表現していきたいです。
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たかはし びわ 1972年東京都生まれ 佐久市御馬寄在住 武蔵野美術大学油絵学科卒業 2000年第1回武井武雄記念日本童画大賞展審査員特別賞受賞 2014年日本酒「真澄」のアーティストラベル、「くつかけテラス」ポスターを制作 7月28日〜8月25日心の花美術館(上田市中央)「愉快などうぶつ展」に出品
芸術への憧れを募らせて
小さい頃から絵を描くことが好きでした。中学生の頃でしょうか、お寿司についている葉っぱ(バラン)を庭の草の中に並べ、キャプション(作品の説明書き)をつけアート展のような遊びをしていました。時はバブル全盛期。ゴッホの絵画を日本企業が購入するなど美術がブームになっていた時代で、芸術への憧れを募らせていったのだと思います。油絵の具が自由に使えるというので、高校では美術部に入りましたが指導者がおらず好きなものを自己流で描いていました。道具の使い方も知らなかったので、筆を洗う油を溶き油として使っていて、教育実習生に「それは新しい技法?!」と言われ、ようやくそこで正しい使い方を教えてもらうような状態でした。
絵を描くだけでなく、作曲など、ものを作ることに興味がありましたが、実際にそれらを仕事にするとは思ってもいませんでした。高校3年生の冬休みに進路を迫られ美術大学への進学を決意。すぐ受験だったので、前日に買ったばかりの絵の具セットを持って行きました。受験勉強も絵の勉強もしていなかったので受かるはずもなく、2浪して武蔵野美術大学に入りました。
ペンギンを主題に
羽根つきをするペンギンを描いた『はねつかむ』2018年
http://takahashibiwa.web.fc2.com
大学では油絵を中心に、インスタレーションや造形、色鉛筆画などいろいろなことを学びました。大学2年生の時に両親は佐久に移住。ひとり東京で学生生活を送っていましたが、もともと喘息、アトピー体質で卒業を前に体調を崩してしまい、24歳のときに両親が住む佐久に移住しました。以来、佐久を拠点に創作活動を続けています。こちらに来た当初は車の運転もできなかったので、刺激が足りないと思ったりもしましたが、むしろそれが良かったのかなとも思います。
2006年頃からはペンギンを描いています。よちよちしていて弱い存在のようですが、実は羽ばたきの強さは人間の骨を折るほど強いという逆説的なところに惹かれました。2本足で立つ姿はどこか人間のようです。今年4月〜7月に美術館で個展「たかはしびわの現代アート 美術館がペンギンでいっぱい(山ノ内町立志賀高原ロマン美術館)」を開催。ギャラリーでの個展はよく行いますが、大きな美術館での個展は初めて。絵画から立体作品までペンギンを主題にした作品300点を並べました。この夏開催の「愉快などうぶつ展(心の花美術館)」にもペンギンの作品を出品しています。
目の前の絵に集中したい
御馬寄のアトリエにて。学校の給食で出たビワの種を家の庭に放ったら芽が出てきたことから「びわ」を画号に
最近ではぶら下げ系の作品「ゆるコラージュ」を提唱し、インスタレーション作品を作っています。洋服を買った時についてきたタグを壁にぶら下げていた様子にヒントを得てはじめたのですが、何気ない様子を作品として捉えてみることでおもしろさを発見することができます。
20年作家活動をしてきました。若い頃は「もっとすごいことができるはず」と肩に力が入っていましたが、今は目の前の1枚1枚の絵に集中していきたいと思っています。これからのペンギンには強い部分だけでなく穏やかさやのんびり感も表現していきたいです。