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洋画家・軽井沢サニーヴィレッジ経営 山添 洋さん

sin01やまぞえ ひろし 1946年軽井沢町生まれ 2007年仏国際芸術大賞展入選 2008年ル・サロン(フランス)マゼンタ賞他受賞多数 ニューヨーク(アメリカ)、ハンブルグ(ドイツ)、ザルツブルグ  (オーストリア)など各国のアートフェアに出展 2013年ラーテノウ芸術センター(ドイツ)に作品寄贈

 

絵画の原点は塗り絵

普段は油絵で風景画を描いていますが、原点は幼少の頃に好きだった塗り絵です。母が描いてくれた絵に色をつけたのが最初で、そこから絵に興味を持つようになり、自分でも描いてみるようになりました。大学で東京へ出ましたが、進学の際、高校の先生に「絵で食べていくのは苦労するよ」と言われ、美術大学には進みませんでした。大学生の時に趣味として油絵を描き始め、現在まで描き続けています。

画家としての活動の傍ら、軽井沢でログハウスを経営しています。祖父の代まで牧場をしていた広い土地があり、長男ですからこの土地を利用して何かやらないといけないと思い、26歳の時に始めました。絵の方もちょうどその頃から海外の公募展に出展するようになりました。海外では肩書にとらわれることなく絵自体を評価されるので、それだけ厳しさもありますが、一方でその厳しさを楽しんでもいます。今はニューヨークのセーラムギャラリーに春と秋に出展しています。ドイツやスイスのアートフェアに出したりすることもあります。来年にはニューヨーク市が経営するギャラリーでの個展も予定しています。

 

sin02心に響く風景を描きたい

描くものは軽井沢が多いですが、旅行先で出会った風景も描きます。これまでにニュージーランド、パリなどにも行きました。

先日上海で個展を開催した際には、中国の秘境・九寨溝・黄龍へも足を延ばしました。海外の風景はスケールが大きく感動が違います。ニュージーランドにはもう1回行ってみたいですし、沖縄の海の色も好きで毎年行っています。カナダやスイスも好きです。少し遠いですがウユニ塩湖、パタゴニアの氷河のブルーが写真で見る限り本当にきれいで、いつか行ってみたいと思っています。

身近な場所でも、何気ない木の陰影や光のコントラスト、ちょっとした風景に感じるものがあります。リクエストを受けて抽象画を描いたり、心象風景を描くこともありますが、自分の心に響いた風景を描くのを基本にしています。

 

 

完成時の達成感が醍醐味sin03

集中して描いているので完成した時の達成感が大きく、それが絵を描く楽しみでもあります。顔を見たことがない、世界の見知らぬ人が買ってくれるというのも張り合いになっています。

ある学芸員に、「美大にいくと先生の筆が入ってしまうから面白みがないけれど、山添さんの場合はそれがないので、個性が出ていて面白い」と言ってもらったことがありました。有名な先生につくと筆の動かし方など、先生の筆の特徴が生徒にも表れてしまうようです。今になってみれば、美大に進まなくて逆によかったのかなと思います。

日によって違いますが、今は娘夫婦にコテージの仕事をまかせているので、絵を描く時間もたくさん取れるようになってきました。それでも1日2〜3時間でしょうか。健康のために体を動かそうと始めた社交ダンスが趣味で、10年以上続け、競技会にも出ています。絵を描くだけでなく、汗をかいて発散することも必要ですからね。