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「TOKYO BEAUTY CONGRESS 2017」グランプリ受賞・美容師 下村 倫人さん

sin01しもむら みちひと 1974年東京都生まれ 美容室OLIVEオーナー 20歳〜都内の美容室に勤務 2001年佐久市に移住し中込で開業 2007年現在の店舗に移転 美容商社の株式会社ガモウが主催する大会「TOKYO BEAUTY CONGRESS 2017」で最高賞のグランプリを受賞

 

 

「手に職」と思い美容師に

美容師を志したのは18歳のとき。バブル後の不安定な時代だったので、「手に職をつけよう」と大学を1年で中退。美容師の道へ進むことを決め、働きながら通信教育で勉強し、資格を取り、都内の美容室に就職しました。その後、2001年に妻の出身地の佐久へ移住し、市内の美容室に勤めました。当時担当していたお客さまに不動産業の方がいて、冗談半分で独立の話をしたら、トントン拍子に話が進み、開業することになりました。中込で5年営業し、2007年の5月に現在の場所に移転しました。

 

sin034回目の挑戦でグランプリに

9月26日に東京都内で開催されたカット技術を競う大会「 TOKYO BEAUTY CONGRESS 2017」でグランプリを受賞しました。全国の美容室に商品を卸している企業「ガモウ(東京)」が開いた大会で、課題の人物像やファッションに合わせたヘアスタイルを5分で考えて40分でカットするのですが、今回は課題が出た瞬間、入賞できると確信しました。技術を磨くのはもちろん、優勝するにはどうしたらいいのか、様々な角度から分析やリサーチをしてきましたから。

大会へは4回目の挑戦。主催者側に誘われる形で第1回大会に出場したのですが、出てみたら結果は予選敗退。何が良くて何が悪いのかもわからない。審査員の言っていることもよくわからない。もうボロボロでした。あまりにもわからないので、審査員の先生に直接聞きに行ったところ、「カットスクールがあるから来てみたら」と言われ、次の年の春から通い始めました。「お店を出して満足してしまったところがあったのかな」と感じ、「勉強しなきゃ」と思ったんですね。逆境になると火がつくタイプなんです(笑)。ところが実はここ、美容師の虎の穴と言われるほど業界では有名な厳しいスクール。プライドがズタズタにされるのを覚悟で通いはじめました。技術やデザインを一から学び直し、ベーシックを見直したら、カットが楽しいと感じられるようになりました。それまではカラーが好きでカラーばかり勉強していたのですが、カラーもパーマもベースのカット技術がないと生きてこないことに気づきました。今でも月1回のスクールに通い続けています。美容は常にトレンドが変わるので、終わりがないですから。

 

東京と同じ技術を佐久でもsin02

佐久は東京まで新幹線で約1時間10分。最新の技術やファッションを取り入れるには最適な場所です。美容師志望の学生がいてもセンスのいい東京の学校へ行きたいと出て行ってしまう人が少なくないので、そうじゃない環境を作りたいと考えています。「東京まで行く必要がない」、「佐久で就職したい」、「美容師をしたい」という人が増えるように、自らの技術やセンスを磨いて業界全体の価値を上げていきたいと思っています。「地方の美容師でも東京と同じことができる」、「長野の美容師ってスゴイ」というところを見せていきたいです。

美容師を始めて今が一番楽しい。満足したら終わりなので、常にインプット、アウトプットをして向上していきたいです。