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全日本高等学校書道コンクール大賞受賞 清水 紗英さん

1しみず さえ 2000年佐久市生まれ 野沢南高等学校3年生 同校書道部部長 第23回全日本高等学校書道コンクール部門賞で大賞(魏霊蔵造像記賞)を受賞 8月に開催される2018信州総文祭にも長野県選抜として作品を出品する

 

全国大会で大賞を受賞!

地域に書道教室があり、同年代の子どもがたくさん通っていたので、小学1年生から習字を習い始めました。自分からやってみたいと思って始めたわけではなかったので、小学6年生まで通い一度はやめていました。絵を描くのも好きなので中学では美術部に入部。高校では、部活紹介の時に見た、音楽に合わせて大きな紙に表現する書道パフォーマンスにひかれ、「私もやってみたい!」と思い、迷わず書道部への入部を決めました。
部活で古典の字を臨書するようになり、造像記の作品には1年生の頃から取り組んできました。「全日本高等学校書道コンクール」で大賞を受賞した作品は、顧問の真山先生のアドバイスで筆と墨と紙をすべて変えて挑みました。筆は羊毛の柔らかいものに変え、わざと渇筆を出すようにしました。扱いが難しく最初は文字が暴れ苦労しましたが、何度も書くうちに理想とする「かすれ」が出せるようになりました。コンクールの中で造像記は一番出品数が多く、全国から1万7204点もの応募があったと聞きました。全国で一番の賞を受賞した時は、正直信じられない気持ちでした。ずっと造像記を書いてきたので大きな自信にもつながりました。

 

2東信選抜で総文祭に出品

今年8月の「2018信州総文祭(全国高等学校総合文化祭)」では東信選抜として作品を出品します。県代表は7人で東信地区からは1人だけとなります。昨年の「みやぎ総文祭」を顧問の先生と見に行きましたが、全国レベルの作品を目にした時はとても感動しました。全国の代表者と同じレベルで戦えるのが嬉しくて、出品できること自体が誇りですが、出すからには長野県で一番を目指す心意気で書きました。信州総文祭は松本市美術館が書道の展示会場となるため、会場の中で自分の作品がどう生きるのかも考えました。より力強くかすれを生かし、他の人と少し違うものが出せたのではないかと思っています。
信州総文祭では他県の生徒との交流会にも参加します。木曽の木で作ったコースターに文字を書き、お土産としてプレゼントする予定です。他校の生徒と関わる機会が少ない部活なのでとても楽しみです。

 

書道パフォーマンスにも注力3

現在は書道部の部長も務めています。部活では書道パフォーマンスに取り組み、文化祭や佐久鯉まつりに出演予定です。この春には中部横断道の開通イベントにも出演しました。個人作品とは全く違う活動なのでまた別の楽しさがあり、みんなでひとつのものを作り上げる達成感が魅力です。
普段は好きな音楽を聴きながら作品を書いています。文字が暴れてしまう時は大人しい感じの曲を聴いて気持ちを落ち着かせ、力強く書きたい時は激しい曲を聴いたりと工夫しています。最初は集中力が続かずに、大きな作品は半分ずつ書いていましたが、今は一気に書けるようになりました。見えないところで成長しているのかなと思います。
高校生活で評価していただいたので、将来は趣味でも仕事でも、少しでも書道に携わっていければいいなと思っています。