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(2013年3月31日)
●佐久平の美術展 新人賞受賞 小林 冴子さん
1983年8月佐久市今井生まれ 浅間中、野沢北高を経て、2003年4月大阪成蹊大学芸術学部入学 卒業後帰郷し、市内のレストランやギャラリーで個展を開催 2010年第63回長野県美術展SBC賞受賞 2013年2月佐久平の美術展新人賞受賞
小さい頃から絵が好きで、中学・高校でも絵画部、美術部に所属していましたが、本格的に絵の道に進もうと思ったのはずっと遅く、大学を卒業して帰郷した後のことでした。転機は2009年、佐久平駅北の元麻布ギャラリーで開いた個展「かいこてん」。これまでに描きためたドローイングから油絵まですべての作品を展示し、これをけじめとして絵をやめるか進むか決めようと考えたのです。その結果、個展に来ていただいた友人たちに「描き続けた方がいいよ」とアドバイスをもらったり、見知らぬ人から「この絵、いいですね」と言われたりしたことが、画家として進む原動力になりました。今は全国区の公募展にも積極的に応募するようにしています。作品を描くモチベーションにもなりますし、なにより絵の勉強になるからです。
アトリエは自宅1階、和室の8畳間。亡くなった祖父の部屋だったのですが、おじいちゃんが応援してくれる気がして、カーペットを貼って使わせてもらっています。たいてい朝3時頃に起きて、食事を挟みながら、ここで午前中いっぱい絵を描くのが日課。アルバイトに出たり、気持ちが乗らなかったりする時は、臨機応変に切り替えています。朝方の生活に変えたのは最近ですが、静かな時間帯に集中して制作できるこの生活リズムは、自分に向いているようです。冬はちょっと寒いですけれど(笑)。
佐久平の美術展に出品したのは、誰もいない電車の座席にバラを1本、アクセントに添えたもの。東武東上線で偶然人気のない車両に乗り合わせ、その時撮った写真をもとに1週間で一気に描き上げました。油絵作品の多くは、写真から発想を得たものです。自分でもいつもカメラを持ち歩いて、これは絵になるなと感じた風景にはいつでもシャッターを切れるようにしています。何気なく出会った風景の中で、直感的に好きだなと感じたものは、作品として描いていきたい。2011年から2012年にかけては、そんな風に日々描き続けたものが、1年間で約100点の油絵作品になりました。
音楽を聴くことも好きです。ザ・イエローモンキーなどアップテンポのロックが多く、いつも制作中のBGMに流しています。あとは旅行でしょうか。小学生の頃から家族で国内外に出かけていて、初めて油絵に興味をもったきっかけも、母親と一緒に訪れたオランダでゴッホの原画を見たことでした。この時に受けた衝撃と感動は、今、絵を続ける中でも大きな力になっています。ゴッホには晩年、フランスのオーヴェル・シュル・オワーズという農村地帯に70日間滞在し、70枚の作品を残したという逸話があります。そんな絵に対する情熱、姿勢にも憧れますし、そうありたいと思っています。 幸い両親は、絵で生活していくことに理解を示してくれました。今では2人で揃って美術館に行くようにもなり、画家や作品の知識は私よりあるんですよ。
月刊ぷらざ編集部(株式会社信州広告社)
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小林 冴子さん
1983年8月佐久市今井生まれ 浅間中、野沢北高を経て、2003年4月大阪成蹊大学芸術学部入学 卒業後帰郷し、市内のレストランやギャラリーで個展を開催 2010年第63回長野県美術展SBC賞受賞 2013年2月佐久平の美術展新人賞受賞
画家の道へと決めた個展
小さい頃から絵が好きで、中学・高校でも絵画部、美術部に所属していましたが、本格的に絵の道に進もうと思ったのはずっと遅く、大学を卒業して帰郷した後のことでした。転機は2009年、佐久平駅北の元麻布ギャラリーで開いた個展「かいこてん」。これまでに描きためたドローイングから油絵まですべての作品を展示し、これをけじめとして絵をやめるか進むか決めようと考えたのです。その結果、個展に来ていただいた友人たちに「描き続けた方がいいよ」とアドバイスをもらったり、見知らぬ人から「この絵、いいですね」と言われたりしたことが、画家として進む原動力になりました。今は全国区の公募展にも積極的に応募するようにしています。作品を描くモチベーションにもなりますし、なにより絵の勉強になるからです。
アトリエは自宅1階、和室の8畳間。亡くなった祖父の部屋だったのですが、おじいちゃんが応援してくれる気がして、カーペットを貼って使わせてもらっています。たいてい朝3時頃に起きて、食事を挟みながら、ここで午前中いっぱい絵を描くのが日課。アルバイトに出たり、気持ちが乗らなかったりする時は、臨機応変に切り替えています。朝方の生活に変えたのは最近ですが、静かな時間帯に集中して制作できるこの生活リズムは、自分に向いているようです。冬はちょっと寒いですけれど(笑)。
ゴッホの情熱に憧れて
音楽を聴くことも好きです。ザ・イエローモンキーなどアップテンポのロックが多く、いつも制作中のBGMに流しています。あとは旅行でしょうか。小学生の頃から家族で国内外に出かけていて、初めて油絵に興味をもったきっかけも、母親と一緒に訪れたオランダでゴッホの原画を見たことでした。この時に受けた衝撃と感動は、今、絵を続ける中でも大きな力になっています。ゴッホには晩年、フランスのオーヴェル・シュル・オワーズという農村地帯に70日間滞在し、70枚の作品を残したという逸話があります。そんな絵に対する情熱、姿勢にも憧れますし、そうありたいと思っています。
幸い両親は、絵で生活していくことに理解を示してくれました。今では2人で揃って美術館に行くようにもなり、画家や作品の知識は私よりあるんですよ。