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カンボジアに小学校を寄贈 鈴木 智恵子さん

ジブラルタ生命シニア・コンサルティングプランアドバイザー
鈴木 智恵子さん
1958年佐久市前山生まれ 上田女子短大卒 ジブラルタ生命シニア・コンサルティングプランアドバイザー 2006年同社最高表彰の坂口アワードを受賞 07年カンボジアに小学校を設立 08年、10年にもカンボジア、ネパールに学校を寄贈 埼玉県川越市在住

 

大勢の笑顔を見たいから

よく意外だと言われるのですが(笑)、佐久市で過ごした小・中学校時代は、とてもおとなしい子どもでした。変わったのは短大を卒業し、都内で保育士として働くようになってから。プロの役割を果たすために「今までの自分は捨て去ろう」と決心したのです。結婚を機に埼玉へ移り住み、保険の仕事を始めてからは、毎日飛び込みの営業を続け、道で会う人ごとに声をかけるほどになりました。
もともと、人の役に立ちたい、喜んでもらいたいという思いは、人一倍強かったかもし
れません。保育士時代には1カ月分のお給料をつぎ込んで、腹話術の人形を購入。当時あまり知られていなかった腹話術を園児や地域の人たちに披露して喜ばれたことは、今でも忘れられません。20年前からはプロのマジシャンについてマジックも習い、子どもたちやお年寄りに楽しんでもらっています。

 

途上国の子どもたちに学校建設

カンボジアに学校をつくろうと思い立ったのは、保険の仕事を30年近くやってきて、何か自分にできることはないかと考えた時でした。仕事で学校の先生方にお世話になっていたこともあり、子どもたちに何か残したいと
思ったのです。
5 年越しで計画していましたが、坂口アワードという社内最高の賞を受けることができ、その表彰金1万ドルと自己資金を合わせて3年で実現。NPO法人「ス クール・エイド・ジャパン」の協力で07年に建設した小学校は、「鈴木智恵子ドリームスクール」と名付けられ、約400人の子どもたちの学び舎となりまし た。教室の壁に貼られた紙には、子どもたちの名前と「ドクター」「先生」など将来の夢が色とりどりのペンで書かれています。
贈呈式で出会えたカン ボジアの子どもたちは、本当に純粋で、やさしい子どもばかりでした。たとえばお昼を食べる時でも年上の子どもたちが年下の子どもに譲ったり、手助けした り。日本の生活の中では忘れがちな、相手を思いやる気持ちを逆に教えてもらいました。この子どもたちや現地の政府の方々と直接触れあえたことで「この感動 を分け合いたい」という思いが強まり、翌年には社内の友人たちに声をかけ、共に再びカンボジアに小学校を寄贈。10年には、より広く、全国の社員から寄付 を募り、ネパールとカンボジアにも1棟ずつ小学校をつくることが出来ました。

 

「人のためにできること」への挑戦

自宅のある埼玉県川越市を基盤に活動していますが、父親 竹内佐久平(83)や祖母 箕輪勝子(104)の暮らす佐久には、スケジュールの合間を縫って何度も通っています。前山デイサービスセンターに車椅子のまま量れる体重計を寄付した り、市に桜の木を贈呈したり、故郷への思いをかたちにして、大勢の人に喜ばれたことも少なくありません。
市内在住の難病患者の方と知り合った時に は、担当外にもかかわらず、それまで申請してもおりなかった保険の給付金を支払えるように手続きを進めたこともありました。「その人のために何ができる か、どこまでできるか考えるのが、私たちの本来の仕事」と、保険のプロとして全国の後輩たちに慕われている鈴木さんは話してくれました。趣味はマジックに 加え、4年前にご主人と始めた社交ダンス。お客様がダンスの先生だった縁で始め、自宅の2階に練習フロアをつくるほどの熱中ぶり。このフロアも「皆に喜ん でほしい」と広く開放して、地域の人たちと一緒に楽しんでいます。