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(2014年11月1日)
虫と共に過ごした少年時代
昆虫のことは、物心ついた時から好きでした。小学校に上がる前から、身近なミツバチや蝶を捕まえて観察したり、虫の本を読んだりして過ごしていました。生まれは東京ですが、小学5年生の時に家族で中軽井沢から上田・菅平近辺まで旅行したのが、信州との縁の始まりになっています。その時も昆虫採集しながら回ったんですよ。3人兄弟の末っ子で兄姉とは年も離れていたので、家族旅行でもわがままを聞いてもらえたんです。
どんな虫も好きでしたが、蟻だけは昔からあまり好きになれません。理由は、集団生活をしているから。普段の生活でも人がたくさんいるところは苦手で、幼稚園は見学に行ったとたんに「人がいっぱいいるから行かない」と4歳の時に自分で宣言したほど。大学を卒業して写真家になってからも、1人で動くことが多いです。
信州と海外が撮影の拠点
小諸にアトリエを構えたのは24年前。それまでも東京の自宅と海外と信州とを行ったり来たりする生活だったので、信州を拠点にしたのは必然だったのかもしれません。
小諸のアトリエは環境に恵まれていて、車なら30分ほどで高峰高原や白樺湖、望月など、バリエーション豊富な撮影スポットに行けるのが魅力です。アトリエの近くでも、よく見ればいろんな虫が生活しています。
現在は、年の3分の1を小諸で過ごし、それ以外は東京か、アジアやアメリカなど海外に出かけています。
撮影の仕事は、自分の見たいものを優先して受けるのですが、タイで初めてウシロムキアルキというの仲間に出会えたのは印象的でした。学生時代に翻訳を手伝ったヴィックラーの『擬態』という本にイラストが出ていて、お尻と頭が反対向きに見えるイラストにずっと惹かれていたからです。実はウシロムキアルキという名前は私が付けたものなのです。
天気のいい日が続くと、つい撮影ばかりしてしまうので、晴耕雨読のバランスを取って、原稿も書くようにしないといけないと思っています。
虫の暮らしに目を凝らして
子どもの本に写真を提供することも多いです。子どもたちには、昆虫を見る面白さをぜひ知ってもらいたいと思います。虫は人間やほ乳類とはまったく違う生活をしていますが、それでいて一番身近に触れられる野生動物なのです。彼らを知ろうとすることは、生きていく上で、決して損になることはないでしょう。
信州は、昆虫を観察するには本当にいい場所です。つい最近も美術館の敷地で、がキリギリスの仲間に卵を産み付ける貴重な瞬間を見つけました。
ただ虫たちの暮らしをよく知らないと、よかれと思ってしたことが生息環境を壊してしまうこともあります。例えば草刈りも時期や方法を間違えると、卵まで刈り取ってしまったり、餌を失わせてしまうことも。浅間山麓高原にはアサマシジミやミヤマシジミなど絶滅に瀕している蝶も多いのですが、彼らのことをよく知ることは、彼らと暮らす未来を守ることにも繋がるはずです。
月刊ぷらざ編集部(株式会社信州広告社)
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虫と共に過ごした少年時代
昆虫のことは、物心ついた時から好きでした。小学校に上がる前から、身近なミツバチや蝶を捕まえて観察したり、虫の本を読んだりして過ごしていました。生まれは東京ですが、小学5年生の時に家族で中軽井沢から上田・菅平近辺まで旅行したのが、信州との縁の始まりになっています。その時も昆虫採集しながら回ったんですよ。3人兄弟の末っ子で兄姉とは年も離れていたので、家族旅行でもわがままを聞いてもらえたんです。
どんな虫も好きでしたが、蟻だけは昔からあまり好きになれません。理由は、集団生活をしているから。普段の生活でも人がたくさんいるところは苦手で、幼稚園は見学に行ったとたんに「人がいっぱいいるから行かない」と4歳の時に自分で宣言したほど。大学を卒業して写真家になってからも、1人で動くことが多いです。
信州と海外が撮影の拠点
小諸にアトリエを構えたのは24年前。それまでも東京の自宅と海外と信州とを行ったり来たりする生活だったので、信州を拠点にしたのは必然だったのかもしれません。
小諸のアトリエは環境に恵まれていて、車なら30分ほどで高峰高原や白樺湖、望月など、バリエーション豊富な撮影スポットに行けるのが魅力です。アトリエの近くでも、よく見ればいろんな虫が生活しています。
現在は、年の3分の1を小諸で過ごし、それ以外は東京か、アジアやアメリカなど海外に出かけています。
撮影の仕事は、自分の見たいものを優先して受けるのですが、タイで初めてウシロムキアルキというの仲間に出会えたのは印象的でした。学生時代に翻訳を手伝ったヴィックラーの『擬態』という本にイラストが出ていて、お尻と頭が反対向きに見えるイラストにずっと惹かれていたからです。実はウシロムキアルキという名前は私が付けたものなのです。
天気のいい日が続くと、つい撮影ばかりしてしまうので、晴耕雨読のバランスを取って、原稿も書くようにしないといけないと思っています。
虫の暮らしに目を凝らして
子どもの本に写真を提供することも多いです。子どもたちには、昆虫を見る面白さをぜひ知ってもらいたいと思います。虫は人間やほ乳類とはまったく違う生活をしていますが、それでいて一番身近に触れられる野生動物なのです。彼らを知ろうとすることは、生きていく上で、決して損になることはないでしょう。
信州は、昆虫を観察するには本当にいい場所です。つい最近も美術館の敷地で、がキリギリスの仲間に卵を産み付ける貴重な瞬間を見つけました。
ただ虫たちの暮らしをよく知らないと、よかれと思ってしたことが生息環境を壊してしまうこともあります。例えば草刈りも時期や方法を間違えると、卵まで刈り取ってしまったり、餌を失わせてしまうことも。浅間山麓高原にはアサマシジミやミヤマシジミなど絶滅に瀕している蝶も多いのですが、彼らのことをよく知ることは、彼らと暮らす未来を守ることにも繋がるはずです。