ぷらざINFO/信州人

長野県栄養士会佐久支部顧問 中村 美登里さん

人と話し、聞くことが活動の支えに

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30代の頃にマヨネーズメーカーの料理コンテストに応募。長野県1位になり、副賞でマヨネーズ発祥の地といわれるスペインのメノルカ島へ行ったのをきっかけに、料理教室の講師や、栄養指導などの仕事をするようになりました。昭和63年からは長野県栄養士会佐久支部の支部長を20年経験。「ぴんころ御膳」の開発など色々な活動に携わることができました。あのときの入賞がなければ、今の私はありませんでした。

平成2年に佐久市の男性の平均寿命が全国1位になったのを機に、「長寿の要因は食事にもあるのでは?」という考えから、旧佐久市内に住む80歳以上の高齢者の食生活調査を開始しました。会員が手分けして1000人のお宅を一軒一軒訪問し、男性500人、女性500人に聞き取り。質問項目も93問あったので長いときは2時間ほどかかることもありました。その頃、当時佐久市長だった三浦大助さんから「佐久の人はゲンゴロウを食べている」とお聞きしました。食事の話だけではみなさん飽きてしまうのですが「ゲンゴロウ食べたことありますか?」という質問をすると話が盛り上がり、食生活習慣や伝統食、食文化、遊びにいたるまで色々な話を聞くことができました。佐久の伝統食は栄養学的に見てもとても優秀で、やはり先人の知恵はすごいと実感しました。また、聞かせていただいた話をこのままにしておくのはもったいないということで、3冊の本にもまとめました。聞き取り調査の結果がその後の活動の基本になっているので、ゲンゴロウは私たちの活動を支えてくれたスターなのです。

 

支えてくれた仲間に感謝

栄養士会の仲間4人と次に取り組んだのが「ぴんころ長寿いろはかるた」の作成です。高齢者が楽しみながら栄養のことを学べるように、取り札を大きくしたり、親しみやすく語呂のいい文章を考えたり、絵も自分たちで描いて楽しみながら作成しました。市から委託を受け「ぴんころ御膳」「ぴんころ弁当」の開発にも携わりました。腹八分目、タンパク質を摂る、塩分控えめ、野菜を食べるといった、聞き取り調査でわかった長寿の方の知恵や工夫がメニュー開発の基になっています。

活動ごとにいい相手に恵まれ、栄養士会にも支えられ、楽しんでやってこられたのが何より良かったと思っています。厚生労働大臣賞をいただいたのもみんなの力があったからこそです。

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楽しい嬉しい気持ちが原動力

調理科学や料理を考えることが好きなんです。頭の中で料理を組み立てて、こういう組み合わせが素敵だなと思いついたときはすごく嬉しくなります。自分が楽しい、嬉しいと思う気持ちがすべての活動の源になっているのかなと思います。美味しいものを買うのも食べ歩くのも大好き。味を分析するのも好きで、で美味しいものをいただいたら、その味を家でも試してみています。

娘と一緒に海外旅行に出掛けるのも楽しみのひとつです。昨年はハワイに行き、美味しいパンケーキを食べてきました。もちろん家でもソースから作ってみました。