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御代田町長 茂木 祐司さん

原点は平和への思いsnb01

 御代田町南部にある、面替(おもがえ)という山あいの小さな集落に生まれました。兼業農家の長男で、あまりしゃべらないおとなしい子どもだったそうです。幼い頃から父には「徳川家は3代目家光がしっかりしていたから栄えた。お前も3代目なのだから、しっかりしなければこの家はつぶれてしまう」と言われ続けてきました。祖母からは戦争中の暮らしがどれだけ貧しいものだったかという話をたくさん聞かされて育ちました。

電気や機械が好きだったので、高校卒業後はオーディオメーカーに就職。よく自分ではんだ付けをしてアンプを作ったりしていたので、当時の私の部屋は部品や工具であふれかえっていました。

町議会議員に初当選したのは36歳のとき。戦争を体験した祖母の話が礎となり、平和な国を作りたいという思いから政治の世界へ入りました。町長になった今も、平和への思いは変わらず、活動の基本となっています。

 

ウォーキングで健康づくり

町長になってからは、「健康な町づくり」を掲げて、ウォーキングポール購入時に補助金の交付を始めました。補助金を出してまでポールの普及を進めているのは、日本では御代田町が最初です。また、町長自らが健康であるべきだと考え、ウォーキングを始めました。毎朝5時半に起きて1時間ほどウォーキングをしてから出勤します。気が早い性格なので、朝は誰よりも早く、1番か2番には登庁しています。

登山も好きです。年に数回しか行くことができませんが、浅間山や湯ノ丸山、甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)など近隣の山へ出かけます。山好きな役場の職員たちと一緒に行くこともあります。昨年は湯ノ丸山へ妻と一緒に行きました。山頂に着いておにぎりを食べ、お湯を沸かしてラーメンを食べるのが楽しみです。

役場のロビーや町長室に、植物を育て、増やしたりもしています。機械が好きな人は植物が苦手といいますが、実は自分もそうでした。機械は直せばすぐに動きますが、植物はすぐには元気にならないでしょう。しかし、町長になって植物をいただく機会が増えたので、せっかくだからと世話をしているうちに、挿し木や株分けまでして増やすようになりました。植物は手をかければ応えてくれますからね。花が咲けば喜ばれるし、興味のある人は声をかけてくれます。「この鉢小さすぎるから、うちの鉢を持ってきてやるよ」なんてこともあり、植物を通じて生まれる会話も楽しんでいます。

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座右の銘は「一生懸命」

 御代田町の魅力は、恵まれた自然環境。比較的土地が安く、生活に便利なので、若い世代の人口が増えています。公園や緑地もあり子育てしやすい環境だと思います。人口減少社会に向け、若い世代の人口をさらに増やすため、企業の誘致と働く場所の確保に力を入れていこうと思っています。

座右の銘は中学生の頃から「一生懸命」。とにかく何でも一生懸命やる。町の卓球大会で参加者が少ないと聞けば職員を集めて出場したり、町民大運動会で数種目に出場したり。小さな町の町長ですから、町民目線で何でも積極的にやっていきたいです。