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全国中学柔道大会男子55kg級優勝 唯野 己哲さん

兄に憧れて柔道教室へsnb01

2つ上の兄が先に柔道を始めていたため、小学1年生のときに、兄に憧れて柔道教室に入りました。「すぐに試合で戦える」と思っていましたが、2年生までは受け身や打ち込みの練習ばかり。つまらなくて嫌になり、やめたいと思ったこともありました。3年生でようやく試合に出られるようになりましたが、特に強いというわけでもなく、県大会に出場できるくらいの実力でした。5年生・6年生の時には2年連続で県大会2位となり、全国大会まであと一歩のところでしたが、結果を残せないまま終わりました。中学入学時には、悔しい気持ちをバネに、「絶対結果を残してみせる」という意気込みで柔道部に入部しました。

1年生だった平成26年の大会では、県大会で優勝。北信越大会は2位でシード権を獲得し、全国大会に臨みましたが、結果は初戦敗退。「一本」こそ取られなかったものの、ポイントをすべて取られるという有様でした。相手が3年生ということもありましたが、自分の実力不足を知り、「強い人がいるんだ」ということを実感した試合でした。悔しくなかったわけではないですが、初めての全国大会だったので、出られた満足感が大きかったです。

 

入院で周囲の支えに気付くsnb04

平成26年の秋、新人戦の試合中に、肩の骨が外れる大怪我をして入院しました。学校に行けず、何もできない状態になり、周りに迷惑をかけてしまいましたが、そのお陰で、家族や友だち、先生方、みんなに支えられて柔道を続けられているのだと気付くことができました。それまで「精神的にまだ弱い部分がある」と先生からも指摘されていたのですが、技術的に強くなったことで油断が生じ、どこかに甘えがあったのだと思い直すきっかけになりました。

怪我を克服して挑んだ今年の大会。県大会で優勝し、2度目の全国大会に進むことができました。全国大会の時は「心技体すべてが揃っている」と先生に言われていましたが、優勝するほどの自信はありませんでした。全国優勝を目標にしてはいたものの、「3年生になったら取るぞ」という夢に近い目標だったので、正直、優勝した瞬間は実感が湧かず、「あれ?俺、優勝したんだ」という不思議な感覚でした。

 

日本代表として世界で戦いたいsnb05

 これからの目標は、まず来年の大会で全国優勝2連覇を達成すること。そして、いずれは日本代表として世界で戦いたいと思っています。家での筋トレの他に、例えば「靴を揃えると、良いことがあるんじゃないかな」と思い、続けています。「ゴミが拾えないような人は勝ち星も拾えない」と柔道部顧問の金井先生にも言われましたが、当たり前の小さなことをきちんとやるように、日々心がけています。学校と道場の先生が連携して指導をしてくださるので、技だけでなく精神面、生活面も鍛えられます。

9月には柔道全日本のD強化選手に選ばれました。これから合宿も始まるため、練習が忙しくなり、友だちと遊ぶ時間は少ないですが、柔道が一番好きなので不満はありません。柔道は心も身体も技も、自分のすべてを鍛えてくれるもの。もっと強くなれると信じ、これからも練習を続けます。