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小諸市長 小泉 俊博さん

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こいずみ としひろ

1963年生まれ 野沢北高校、駒澤大学法学部卒業後、井出正一元衆議院議員秘書を経て、1997年行政書士事務所を開所 小諸商工会議所青年部会長、長野県行政書士会理事、佐久支部長を歴任 2016年4月より小諸市長

 

 

 

 

 

原点は人助けの気持ち

両親の故郷が小諸市三岡という、明治時代から桃の栽培で有名な地区でした。幼少から高校卒業までの歳月をこの地で過ごし、大学から東京へ。子どもの頃から出会いに恵まれ、周りの人に支えられる場面が多かった気がします。そうした原点をベースに、人が困ったとき、何か手助けできる人間になりたいと思い、法学部へ進みました。大学卒業後、行政書士の資格を取得し、故郷・小諸市へ。そこで目の当たりにしたのは、衰退していく町の様子でした。黙っていられないという思いで2004年の市長選挙に立候補しましたが、結果は348票の僅差で敗北。その後12年間、小諸の町をどうにかしたいという思いは変わりませんでした。政治家を目指して市長になったわけではなく、小諸の町に活気を取り戻したいというただ一つの思いが原動力でした。

培った文化、新しい可能性
小諸には先人たちが残してくれたもの、誇れるものが多くあります。先日、中国・南京で行われた「中国藤村文学賞授賞式」に出席しました。中国では藤村の作品が全て翻訳されるほど人気だそうです。こうした文学賞を通じ、国際的な文化交流が続いていることは嬉しいことです。文化は心を豊かにしてくれますから。
新しい小諸の未来のために、音楽への取り組みも始まっています。小諸市では、防災無線を利用して、正午と17時を知らせる音楽を流していますが、この音楽をリニューアルする企画です。市内の子どもたちに作曲してもらい、コンクール形式で2曲選出し、オリジナルの音楽を1年間流してみようという試みです。採用された2名には、副賞としてウィーンへ音楽留学の機会を与え、視野を広げてもらおうと考えています。「音楽のまち小諸」という新たなブランドを構築したいですね。

小諸を次のステージへ
多岐にわたる小諸の強みや魅力を「内」と「外」へ情報発信することが不可欠です。例えば小諸には「ルイ・ヴィトンの森」がありますが、意外と知られていないでしょう。都会人にとって、森は素晴らしい宝ですが、我々には当たり前すぎて魅力に気づかないこともあります。面白いイベントも同様です。高峰チェリーパークラインを使ったヒルクライムイベントには、全国から2万人近くが来場しますが、市内での認知度は高くないのが実情です。こうしたイベントについても、効果的に情報発信し、多くの人たちを巻き込んで盛り上げていきたいですね。食と農の分野では、昨年、小諸市の農家が栽培したお米が品評会で最高金賞を受賞しました。小諸発のあらゆるものをブランド化し、「外」へ発信することで、小諸を高いステージへ導き、教育や福祉も含めた形でのレベルアップを目標としています。
市長になってから、小諸が持つ底力を改めて実感しました。市民の皆さんが自信と誇りを持って暮らせるように、市役所職員一丸となって邁進しています。忙しい日々ですが、毎日が充実していて面白いです。
趣味は11年間続けている水墨画。最近は忙しくてなかなか描けませんが、集中できる時間があると、自分の中のバランスが取れる気がするので、続けていきたいです。

3年に1度の文化交流は今年で8回目を迎えました

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郷里にちなんで「小泉桃里」という名前で活動しています

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