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陸上競技800m種目 リオオリンピック出場 川元 奨さん

sin01かわもと しょう 1993年佐久市生まれ 陸上選手野沢中学時代に陸上を始める 北佐久農業高等学校、日本大学卒業 スズキ浜松アスリートクラブ所属 中距離走800m種目の日本記録保持者 2015年武漢アジア選手権銅メダリスト 2016年リオデジャネイロオリンピック日本代表

 

半強制的に陸上部へ

 学の部活動で陸上を始めました。小学校5年生までミニバスケットボールをやっていたため、中学に入ってからもバスケ部に入ろうと思っていたのですが、1つ上の姉がすでに陸上部に所属しており、「同じ部活の方が応援に行くのが楽だから陸上部にしてほしい」と親に言われ、半強制的に陸上部に入ることになりました。中学時代にはいろいろな種目を経験し、3年生の時に800mでジュニアオリンピックに出場。入賞できたことで手応えを感じ、本格的に800mでやっていこうと決めました。

「陸上に力を入れる」という強い決意で北佐久農業高校(現・佐久平総合技術高等学校)に入学。高校時代は部活中心の毎日でした。当時の恩師から「高校記録を出せる」と言われていたので、高校記録更新を目標に練習に励みました。学校近くの坂道での走り込みなど、当時の練習が今の自分のベースになっていると思います。大学も陸上で進学したので、「結果を残さないといけない、残したい」という気持ちで取り組みました。親に言われて始めた陸上ですが、今は他に趣味がないくらい陸上が好きです。

 

リオオリンピックに出場!

 オリンピック出場にあたっては、参加標準記録を突破しないと参加資格が得られないのですが、今年に入ってからタイムが狙えず、思うように記録も伸びずに苦戦しました。参加標準記録は自己ベストより遅いにもかかわらず、なかなか切ることができませんでした。7月に入ってようやく調子が上がり、標準記録を突破。日本代表に選出され、初めてのオリンピックへ。

競技スタート前は緊張しましたが、トラックに入った瞬間にほぐれて楽しく走ることができました。結果は4位で予選敗退。準決勝進出の3位と100分の1秒差という悔しい結果になりました。国際大会なので速いペースになるだろうと予測していたのですが、実際はスローペースの展開でした。自分が思っていたのと違ったということもあり、ちょっとしたミスが0・01秒の差となり、4位になってしまったのだと思います。

2020年の東京オリンピックの時は27歳。もちろん出場を狙います。普段、長野県の地元の皆さんや職場(スズキ㈱)の皆さんにも応援して頂いているので、そのためにも、今回は予選敗退でしたが、この経験を生かして、次のオリンピックでは準決勝、決勝に進めるように努力します。まずは来年8月の世界陸上に出場し、自身の持つ日本記録を更新することが目標です。

 

目標は何種類あっても良い

 試合で心がけているのは、目標に対して覚悟を決めて走ること。覚悟を決めれば中途半端な気持ちや負けそうという気持ちがなくなります。力をしっかりと出し切り、芯を持って走ることが大事です。日々の練習が確実に力になっていくので、試合のたびに目標を決めて、それに向けて努力をすることも大切だと思っています。陸上に限らず、夢を叶えるためには数種類の目標を持って良いと思います。小さなことから一つひとつ達成していけば、クリアするごとに自信がつき、大きな目標の達成につながっていくと思います。

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