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(2022年5月26日)
やしろ たけし 1969年秋田県生まれ 秋田の高等学校卒業後、東京藝術大学デザイン科入学 CM制作会社「太陽企画」に入社しCMディレクターに第76回毎日映画コンクール・アニメーション部門大藤信郎賞をはじめ国内外での受賞多数 監督作品 「プックラポッタと森の時間」「ごん –GON,THE LITTLE FOX–」「眠れない夜の月」「ノーマン・ザ・スノーマン」などの人形アニメーションやTVCMなどの制作を手掛ける
幼い頃は銀行員だった父親の転勤により何度か転校をしました。秋田県内の雪が多い地域や自然豊かな土地に転居することもあり、魚釣りなど屋外で遊ぶのが好きでした。また手先が器用で、絵を描くことも得意としていました。小学校時代は、物怖じせず思ったことをはっきり言うタイプで、友だちに話題を提供して一緒に盛り上がる活発な子どもでした。
高校に入学して間もない頃、進路について考えた際に「自分は物を作ったり絵を描いたりすることが好きだ」ということを再確認し、自分の好きなことを追究しようと決め、芸術系の大学に進学するという目標を掲げました。ある日、教育実習に来ていた先生が自分の作品に対して辛口の評価をしました。そして、「芸術の大学に進みたいのなら美術の予備校に行った方がいい」とアドバイスをされ、高校2年生の時に初めて東京にある美術の予備校の夏期講習に参加しました。その後も定期的に予備校に通うようになり、出身地も年齢も違うけれど自分と同じように芸術の大学を目指す多くの仲間と出会いました。時にぶつかり、一方で励まし合いながら、それぞれの志望校合格に向けて切磋琢磨するとても充実した時間を過ごしました。その時出会った仲間の中には、今でも交流のある人がいます。
大藤信郎賞受賞作、最新作の「プックラポッタと森の時間」は軽井沢で撮影しました
大学卒業間近に芸術家として進むか就職するかを考えていた時、自分の心の中に「CMの世界に進んだら面白いことややりたいことが見つかるかも」という気持ちが生まれました。その結果、テレビCMや広告を取り扱う太陽企画に就職し、ディレクターとして実写やアニメーションCMを手掛けることになりました。15秒から30秒という短い時間の中に、見る人の心に響くような内容や情報を入れるのですが、詰め込み過ぎず余裕のあるCMにすることを心掛けました。
毛鉤は魚の餌になる虫を観察してそっくりに作ります
転機は2013年。プラネタリウムで上映された「ノーマン・ザ・スノーマン〜北の国のオーロラ」という30分ほどの短編の人形アニメーションを制作したことでした。「人形など物を作るところから全て自分でやってみたい」と思い、監督・脚本・アニメーション制作を全て自分で行いました。「自分のやりたいこと」がはっきりと見えた瞬間でもありました。その後、人形アニメーションの依頼が増え、2015年に社内ユニット「TECARAT」を立ち上げ、活動をスタートさせました。
ストップモーションアニメは1秒の映像に24コマ撮影することもあり、とても時間がかかります。しかし、1コマ1コマを試行錯誤しながら制作するのはとても楽しい時間でもあります。人形も自分の手で1つ1つ彫っていますが、「こっちから撮影したら見ている人に伝わりやすいのではないか」など監督目線からも考えながら工夫しています。
様々な縁から、2009年に軽井沢に移住。自然豊かな軽井沢での生活が最近の自分のアニメーションに良い影響を与えていると感じます。仕事の合間を見ながら、自分の作った毛鉤を使い、近くの川で魚釣りも楽しみたいと思っています。
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やしろ たけし 1969年秋田県生まれ 秋田の高等学校卒業後、東京藝術大学デザイン科入学 CM制作会社「太陽企画」に入社しCMディレクターに第76回毎日映画コンクール・アニメーション部門大藤信郎賞をはじめ国内外での受賞多数 監督作品 「プックラポッタと森の時間」「ごん –GON,THE LITTLE FOX–」「眠れない夜の月」「ノーマン・ザ・スノーマン」などの人形アニメーションやTVCMなどの制作を手掛ける
物を作り上げることが好き
幼い頃は銀行員だった父親の転勤により何度か転校をしました。秋田県内の雪が多い地域や自然豊かな土地に転居することもあり、魚釣りなど屋外で遊ぶのが好きでした。また手先が器用で、絵を描くことも得意としていました。小学校時代は、物怖じせず思ったことをはっきり言うタイプで、友だちに話題を提供して一緒に盛り上がる活発な子どもでした。
高校に入学して間もない頃、進路について考えた際に「自分は物を作ったり絵を描いたりすることが好きだ」ということを再確認し、自分の好きなことを追究しようと決め、芸術系の大学に進学するという目標を掲げました。ある日、教育実習に来ていた先生が自分の作品に対して辛口の評価をしました。そして、「芸術の大学に進みたいのなら美術の予備校に行った方がいい」とアドバイスをされ、高校2年生の時に初めて東京にある美術の予備校の夏期講習に参加しました。その後も定期的に予備校に通うようになり、出身地も年齢も違うけれど自分と同じように芸術の大学を目指す多くの仲間と出会いました。時にぶつかり、一方で励まし合いながら、それぞれの志望校合格に向けて切磋琢磨するとても充実した時間を過ごしました。その時出会った仲間の中には、今でも交流のある人がいます。
大藤信郎賞受賞作、最新作の「プックラポッタと森の時間」は軽井沢で撮影しました
CMディレクターとして活動
大学卒業間近に芸術家として進むか就職するかを考えていた時、自分の心の中に「CMの世界に進んだら面白いことややりたいことが見つかるかも」という気持ちが生まれました。その結果、テレビCMや広告を取り扱う太陽企画に就職し、ディレクターとして実写やアニメーションCMを手掛けることになりました。15秒から30秒という短い時間の中に、見る人の心に響くような内容や情報を入れるのですが、詰め込み過ぎず余裕のあるCMにすることを心掛けました。
人形アニメーションを制作
毛鉤は魚の餌になる虫を観察してそっくりに作ります
転機は2013年。プラネタリウムで上映された「ノーマン・ザ・スノーマン〜北の国のオーロラ」という30分ほどの短編の人形アニメーションを制作したことでした。「人形など物を作るところから全て自分でやってみたい」と思い、監督・脚本・アニメーション制作を全て自分で行いました。「自分のやりたいこと」がはっきりと見えた瞬間でもありました。その後、人形アニメーションの依頼が増え、2015年に社内ユニット「TECARAT」を立ち上げ、活動をスタートさせました。
ストップモーションアニメは1秒の映像に24コマ撮影することもあり、とても時間がかかります。しかし、1コマ1コマを試行錯誤しながら制作するのはとても楽しい時間でもあります。人形も自分の手で1つ1つ彫っていますが、「こっちから撮影したら見ている人に伝わりやすいのではないか」など監督目線からも考えながら工夫しています。
様々な縁から、2009年に軽井沢に移住。自然豊かな軽井沢での生活が最近の自分のアニメーションに良い影響を与えていると感じます。仕事の合間を見ながら、自分の作った毛鉤を使い、近くの川で魚釣りも楽しみたいと思っています。