ぷらざINFO/この街の仲間たち

佐久市体育協会 少林寺拳法部

 護身のための拳法

nakama_01

少林寺拳法と聞くと中国が発祥だと思われがちですが、現在の日本の少林寺拳法が確立されたのは、昭和22年のこと。開祖の宗道臣先生が、「人づくり」を目的として、香川県から広めた武道です。少林寺拳法は空手や柔道と異なり、闘うことを目的とした武術ではありません。相手の攻撃をかわしたり受け流したりする、護身の術です。道臣先生は「半(なか)ばは自己の幸せを。半ばは他人(ひと)の幸せを」という理念の下、「仁・義・礼・忠・孝・信」の心を根幹に据えました。自分を頼りにできる自信を育てる「自己確立」と、他人の幸せをも考えることのできる「自他共楽」を大切にしています。

 

nakama_02

人間の質(しつ)を育てる修業

自分たちが学んだ技を披露する「少林寺拳法演武」は2人1組で行い、合掌礼から始まります。両手を合わせて相手と向かい合い、頭は下げません。互いを尊敬し合い、大切にし合う心から、このような方式となりました。相手から視線を外さないという、武道の構えにも通じています。演武では決められた時間の中で各種攻防を行います。突きや蹴り、抜き技、投げ技、握り技など、技の種類は多岐にわたります。講師の田村さんは「技術を使うためには、心の修業が欠かせません。2人1組で技を磨くことで、相手と信頼し合うことの大切さ、信頼関係、一緒に強くなっていく喜びの心を育てていくのです。そして、全ての行動や心は、人間の質にあるのだと思いますし、それを磨くことが少林寺拳法の目的」と言います。

 

少林寺拳法の目的

田村さんが1990年に少林寺拳法部を立ち上げてから25年。現在では臼田、佐久穂、小諸のチームを合わせて54人の拳士が集まっています。小学校に上がったばかりの子どもから、60歳を過ぎた大人まで、広い年代の拳士が日々技と心を磨いています。田村さんは、「少林寺拳法は社会からの理解がまだ充分ではありません。相手の心を大切に考える『恕(じょ)の心』を育て、社会で活躍できる人間を育てることが、少林寺拳法の目的であることを知ってもらいたいです」と語ってくれました。