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佐久昔ばなし大学 再話研究会

再話を続けて15年

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平成6年に保育士らが作った「佐久昔ばなしセミナー」を母体に、平成19年に「佐久昔ばなし大学」が開講。「昔ばなし大学」では、昔話研究所の小澤俊夫氏を講師に、昔話の語り口(語法)や再話の基礎を学びました。大学を卒業後、さらに「再話コース」と「語りコース」を選択し、2年間学んだ後、「佐久昔ばなし大学再話研究会」、「佐久昔ばなし大学語り研究会」で、現在も学び続けています。「佐久昔ばなし大学再話研究会」では、グループに分かれて10年かけて再話してきた昔話を、昨年「むかしあったとさ」という1冊の本にまとめ、佐久地域の小学校、中学校、図書館、保育施設などに3000冊を寄贈しました。

 

「むかしあったとさ」

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「むかしあったとさ」は、佐久地域などで語り継がれてきた昔話の中で、語り口に則って再話した昔話全32話を掲載しています。語り口には様々なものがあります。たとえば「同じ場面は同じ言葉で語る」というものがあり、同じ言葉で繰り返されることによって、物語を聞いて安心感を持つことができます。また、登場人物は常に1対1で現れ、聞く人が分かりやすいように構成されています。その他、物語の筋を重視して、登場人物の内面を語らないなどの語り口があります。「昔話は口伝えで語り継がれてきたものなので、耳で聴くことでお話が浮かんできます。黙読ではなく、ぜひ、声に出して読むことをお勧めします」と三石さんは言います。

 

語り継ぐこと

最近では、毎月第2土曜に、岩村田の「おいでなん処」で「語りのおもてなし」を開いています。14時15分から始まり、佐久昔ばなし語り研究会のメンバーが、勉強してきた昔話を、本や資料を持たずに覚えて語るというもので、伝承の語りをしています。小学生以上の誰でも無料で聴くことができます。三石さんは、「昔の形をできるだけ壊さず、子どもたちに渡していくことが研究会の願いです。語り継ぐ文化を後世に繋いでいってほしいです」と熱心に語ってくれました。