ぷらざINFO/この街の仲間たち

望月まゆの会

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農村婦人役割開発の事業にて、蚕(かいこ)の繭から花が作れることを知った、リーダーの田中さん。地域で行われた作品展に繭の作品を出展。そこでまゆ作品の美しさに魅せられたメンバーが集まり、2012年に「望月まゆの会」が発足しました。「地域の仲間5人で同じスタート地点から始めたので、技術の向上や成長もみんなで一緒に、ゆっくりと確実に進めてきました」と田中さんは語ります。フランスやエストニア訪問の際の佐久市の手みやげとして、コサージュの注文を受けたことも励みになったそうです。駒ヶ根で開かれた「2014まゆクラフト作品展」では、5人で力を合わせて作り上げた大作「あふれる想い」を出展し、中央蚕糸協会会長賞を受賞しました。

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繭を使った作品づくり

蚕の繭には繭層(けんそう)と呼ばれる厚みがあり、4〜5枚ほどに剥ぐことができます。剥がした繭をワイヤーや接着剤を使って花びらなどにする以外に、繭本来の形をそのまま活かした作品を作ることもできます。白繭に色をつける工程も自分たちで行います。繭の油分を洗い落とし、ぬるま湯に染粉を混ぜて繭に色をつけます。染粉の分量や染める時間によって色の濃淡が変わるそうです。色をつけた繭を、花びらや茎などに見立てて作品にしていきます。繭を煮ることで繭の固さを変えるなど、花びらや茎の表現にも細かな工夫が凝らされています。

 

個性豊かな作品

作り方や作品には決まり事がないため、完成品にはそれぞれの個性が出ます。時には「こんなこともできるの?」と思うような発見もあり、それを吸収して進歩し、幅が広がる楽しさを感じています。母の日にはカーネーションのコサージュをオーダーメイドで作るなど、熱意に満ちたメンバーたち。共同で作り上げる大きな作品以外にも、空いた時間を使って、コサージュ・マスコット・ストラップなどを制作し、手作りマーケットなどで販売しています。「夏には宿題が課されることもありますが、それも楽しみの一つですよ」と、ゆったりした雰囲気の中で活動しています。