佐久、小諸、上田…東信のことなら、ぷらざINFO
マークはクーポン券付きのお店です
(2017年12月1日)
佐久心臓血圧クリニック (☎0267-67-0022) 竹村 隆広 院長
健康寿命、知っていますか?
長野県は長寿県であり、我々の誇りです。では、健康寿命という言葉はご存知ですか。健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」とされています。2013年の日本における平均寿命と健康寿命の比較を図1で見てください。平均寿命と健康寿命の間の差は「健康ではない」、例えば心臓の力が弱くなったり、寝たきりになってしまう期間になるのです。
高血圧はこの健康寿命を短くしてしまう大きな要因なのです。
高血圧って何?
血圧は血液が血管の中を流れるときに血管の壁を押す圧力のことです。上の血圧(収縮期血圧)は心臓が収縮して血液を送り出した時の圧、下の血圧(拡張期血圧)は心臓が収縮を終えた後の血圧です。高血圧は、この圧が基準より高くなる場合をいいますが、現在その基準は病院で測定した場合、上の血圧が140mmHg以上、下の血圧が90mmHg 以上です。また、家庭で測定する血圧ではそれぞれ135mmHg、85mmHg以上を高血圧としています。しかし血圧は常に変動しますので、検診などで1回測定しただけで診断をすることはできません。
高血圧では症状はでません でも怖い病気の原因になるのです
高血圧そのものでは、特に症状はでません。しかし、放置すると次のような大変な病気を起こすことがあるのです。
●脳卒中
脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の血管が破れて出血する脳出血などを脳卒中といいます。この病気を起こすと、体にマヒが生じる、言葉が話せなくなるなど後遺症の残る危険が高く、健康を損なう大きな原因になります。
●心筋梗塞
心臓の筋肉に血液を流す血管が詰まる病気です。激しい胸の痛みなどを生じますが、現在でも発症時に命を突然失ってしまうこともある、とても怖い病気です。心筋梗塞の結果、心臓の力が弱ってしまうと、日常生活にも大きな制約を生ずることがあります。
●腎不全
腎臓は体から老廃物を除去する尿を作る臓器です。腎臓も病気の初期にはほとんど症状がありませんが、病気が進行すると厳しい食事制限が必要になり、さらに進行すると透析治療が必要になるなど日常の生活に大きな制約を生じます。
●他の動脈硬化に伴う疾患
全身の血管で動脈硬化は生ず可能性があり、いろいろな臓器で障害を生じます。動脈硬化の原因は高血圧だけではありませんが、体の老化を進める大きな原因になります。
どの血圧が正しいの?
血圧は常に変動していますので同じ環境で何回か測定することが大切です。病院での血圧と家庭血圧に差がある場合には家庭血圧を重視すべきとされています。血圧計は上腕式が良いと思います。できれば朝と夜、朝は朝食の前などに、血圧計カフを心臓と同じくらいの高さにして測ります。2回測定し、すべて、あるいは平均値を記録し、医師に診てもらうことをお勧めします。
高血圧の治療は
日本では4300万人の高血圧患者さんのうち、半数が未治療、治療を受けている患者さんのうち半分は治療が不十分であるといわれています。
高血圧治療には生活習慣の改善がとても大切です。第一は塩分摂取量の減量、「減塩」です。塩分の取りすぎは、血液の中の水分量を増やし血圧を上昇させます。なれた味覚を変えるのは突然には無理ですが、チャレンジする価値があります。最近は減塩でも十分おいしい食品がたくさん発売されており、社会もかわりつつあります。当院もホームページなどで、減塩の方法などを発信していきますので、どうぞご活用ください。
次には運動です。激しい運動ではなく「速足で歩く」で十分です。できれば、1週間で150分くらいできるとかなり良い運動になります。
そしてお薬による治療です。患者さんの状態、他の合併症の有り無しなどにより薬剤は選択されますが、現在のお薬は副作用がほとんどなく、安全な服用が可能です。薬のお値段もジェネリック薬品の広まりもあり経済的なものが多く、費用対効果は大変良いと思います。
働き盛りの人こそ治療を
最近は40歳から50歳代の方でも心筋梗塞や脳梗塞になる方を多く経験します。人生をかえてしまうような重大な病気にかからないために、高血圧治療は大変大切なものです。さあ怖がらずに、そして後悔する前に医療機関を受診してください。
月刊ぷらざ編集部(株式会社信州広告社)
Copyright(c) saac.co.ltd All Rights Reserved.
高血圧を指摘されたことはありませんか。実は高血圧の患者さんは日本に4000万人以上いるといわれています。でも、血圧が高いことが悪いとは思っていても、症状もないためそのまま放置している人が少なくありません。高血圧は治療をしないと、命に関わる重大な病気につながります。長く元気にすごしていくために、さあ、今日からでも対策を始めましょう。
佐久心臓血圧クリニック (☎0267-67-0022) 竹村 隆広 院長
健康寿命、知っていますか?
長野県は長寿県であり、我々の誇りです。では、健康寿命という言葉はご存知ですか。健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」とされています。2013年の日本における平均寿命と健康寿命の比較を図1で見てください。平均寿命と健康寿命の間の差は「健康ではない」、例えば心臓の力が弱くなったり、寝たきりになってしまう期間になるのです。
高血圧はこの健康寿命を短くしてしまう大きな要因なのです。
高血圧って何?
血圧は血液が血管の中を流れるときに血管の壁を押す圧力のことです。上の血圧(収縮期血圧)は心臓が収縮して血液を送り出した時の圧、下の血圧(拡張期血圧)は心臓が収縮を終えた後の血圧です。高血圧は、この圧が基準より高くなる場合をいいますが、現在その基準は病院で測定した場合、上の血圧が140mmHg以上、下の血圧が90mmHg 以上です。また、家庭で測定する血圧ではそれぞれ135mmHg、85mmHg以上を高血圧としています。しかし血圧は常に変動しますので、検診などで1回測定しただけで診断をすることはできません。
高血圧では症状はでません でも怖い病気の原因になるのです
高血圧そのものでは、特に症状はでません。しかし、放置すると次のような大変な病気を起こすことがあるのです。
●脳卒中
脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の血管が破れて出血する脳出血などを脳卒中といいます。この病気を起こすと、体にマヒが生じる、言葉が話せなくなるなど後遺症の残る危険が高く、健康を損なう大きな原因になります。
●心筋梗塞
心臓の筋肉に血液を流す血管が詰まる病気です。激しい胸の痛みなどを生じますが、現在でも発症時に命を突然失ってしまうこともある、とても怖い病気です。心筋梗塞の結果、心臓の力が弱ってしまうと、日常生活にも大きな制約を生ずることがあります。
●腎不全
腎臓は体から老廃物を除去する尿を作る臓器です。腎臓も病気の初期にはほとんど症状がありませんが、病気が進行すると厳しい食事制限が必要になり、さらに進行すると透析治療が必要になるなど日常の生活に大きな制約を生じます。
●他の動脈硬化に伴う疾患
全身の血管で動脈硬化は生ず可能性があり、いろいろな臓器で障害を生じます。動脈硬化の原因は高血圧だけではありませんが、体の老化を進める大きな原因になります。
どの血圧が正しいの?
血圧は常に変動していますので同じ環境で何回か測定することが大切です。病院での血圧と家庭血圧に差がある場合には家庭血圧を重視すべきとされています。血圧計は上腕式が良いと思います。できれば朝と夜、朝は朝食の前などに、血圧計カフを心臓と同じくらいの高さにして測ります。2回測定し、すべて、あるいは平均値を記録し、医師に診てもらうことをお勧めします。
高血圧の治療は
日本では4300万人の高血圧患者さんのうち、半数が未治療、治療を受けている患者さんのうち半分は治療が不十分であるといわれています。
高血圧治療には生活習慣の改善がとても大切です。第一は塩分摂取量の減量、「減塩」です。塩分の取りすぎは、血液の中の水分量を増やし血圧を上昇させます。なれた味覚を変えるのは突然には無理ですが、チャレンジする価値があります。最近は減塩でも十分おいしい食品がたくさん発売されており、社会もかわりつつあります。当院もホームページなどで、減塩の方法などを発信していきますので、どうぞご活用ください。
次には運動です。激しい運動ではなく「速足で歩く」で十分です。できれば、1週間で150分くらいできるとかなり良い運動になります。
そしてお薬による治療です。患者さんの状態、他の合併症の有り無しなどにより薬剤は選択されますが、現在のお薬は副作用がほとんどなく、安全な服用が可能です。薬のお値段もジェネリック薬品の広まりもあり経済的なものが多く、費用対効果は大変良いと思います。
働き盛りの人こそ治療を
最近は40歳から50歳代の方でも心筋梗塞や脳梗塞になる方を多く経験します。人生をかえてしまうような重大な病気にかからないために、高血圧治療は大変大切なものです。さあ怖がらずに、そして後悔する前に医療機関を受診してください。