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(2016年10月1日)
フルタクリニック (☎0267-63-0202) 古田 豪記 院長
アレルギーとアレルゲン
私たちの体は、体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物に対して抗体を作り、これらを排除する仕組みを持っています。この仕組みを「免疫」といいます。免疫は本来、体から異物を排除して感染症などから体を守る仕組みです。しかし、この免疫が花粉など体に害のないものに対しても過剰に反応してしまうことがあります。これが「アレルギー」です。アレルギーの原因となる物質は「アレルゲン」と呼ばれ、花粉、ダニ、食物など、身近にある様々なものが、アレルゲンとなる可能性があります。中でもスギ花粉をアレルゲンとするスギ花粉症は、実に日本人の4人に1人が罹患しているといわれています。春先の期間限定で症状が出るスギ花粉症に対して、ダニによる鼻炎は通年性になる方が多くなります。今回、保険適用になった舌下投与用薬剤はスギ花粉とダニです。適応疾患はアレルギー性鼻炎です。
アレルギー性鼻炎に対する治療
現在、アレルギー性鼻炎に対して最も多くの方が行っている治療は抗ヒスタミン薬・ステロイド薬・漢方薬などの内服治療や点鼻・点眼薬治療です。これらは主に症状を緩和するための治療法で、対症療法と呼ばれています。一方で、今回テーマに取り上げました根治が期待できる治療法が存在します。それは、アレルゲンを少しずつ体内に吸収させ、アレルギー反応を弱めていく減感作療法(アレルゲン免疫療法)と呼ばれている治療法です。減感作療法には皮下免疫療法と舌下免疫療法があります。従来は注射による皮下免疫療法が保険適用と認められてきました。しかし2年前の2014年10月にスギ花粉成分、1年前の2015年11月にダニ成分が含まれた薬剤による舌下免疫療法が保険適用となりました。 皮下免疫療法は、注射による治療のため痛みを伴うものであり、投与開始時は頻回に通院する必要があります。それに比べ舌下免疫療法は、舌の下に治療薬を投与するため、皮下免疫療法のような痛みが無く、自宅で手軽に服用することが出来る治療法です。さらに、舌下免疫療法は薬による全身に及ぶ副反応の発現頻度が低いことも確認されています。以上により舌下免疫療法は非常に継続しやすい治療法といわれています。有効性も後述のように高くなっています。
舌下免疫療法
舌下免疫療法について詳しく説明していきます。図のように少量のスギ花粉あるいはダニエキスを含んだ薬剤を毎日、舌の裏に投与します。投与後5分間はうがいや飲食を避ける必要があり、投与後2時間は激しい運動や入浴を避ける必要があります。治療開始条件はアレルギー性鼻炎があり、スギ花粉あるいはダニがアレルゲンとなっていることです。血液検査で診断することが多くなってきています。治療期間の目安は3年(最低2年)とされていますが、当院での治療患者様の中には投与開始後2ヶ月で症状が全く無くなった方もおられます。必ず3年間の治療が必要なわけではありませんので、主治医とよくご相談いただき、ご自身の考えに沿った治療期間を選択してください。舌下免疫療法によるスギ花粉、ダニ治療の有効率はともに約70〜80%といわれています。これは、治療を継続できた方の中で多少なりとも効果があった方を含めた確率です。完治できる方・変化のない方・休薬後症状が再発する方など効果には個人差があります。薬の費用は3割負担でスギ花粉の場合、1日約34円となります。ダニの薬は2種類ありますが2種類とも約67円です。いずれの薬も数日間かけて慎重に増量していきますが、増量した後の維持期の価格です。スギ花粉・ダニの両方がアレルゲンとなっている方に対しては状況に応じて両薬剤を同時使用することも可能です。12歳未満の方は治療を受けることができませんが、高齢者の年齢制限はありません。 最後に、現段階では舌下免疫療法の保険適用外である気管支喘息について説明いたします。ダニがアレルゲンとなっており、それが原因で気管支喘息を発症しているケースは非常にたくさんあります。舌下免疫療法によって新規の気管支喘息発症を予防できるとするデータがすでに発表されています。また、気管支喘息に対して舌下免疫療法が行われている国もあります。日本でも今後、気管支喘息は舌下免疫療法による有効性・安全性が確認され、適応疾患になっていくことが期待されます。ただし、コントロール不良な気管支喘息患者様に対してのダニ舌下免疫療法は現在、禁忌とされておりますので適応にはなりにくいと考えられます。
アレルギー性鼻炎は完治可能
アレルギー性鼻炎は舌下免疫療法で完治できる可能性があります。治療をご希望される方は主治医にご相談ください。
画像出典元‥鳥居薬品ホームページ
月刊ぷらざ編集部(株式会社信州広告社)
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スギ花粉エキス、ダニエキスを舌の下に毎日投与する舌下免疫療法が保険適用となりました。有効性が高く、継続率が高く、安価な治療法とされています。アレルギー性鼻炎が完治してしまうことも期待できます。アレルギー性鼻炎でお悩みの方は是非お読みください。
フルタクリニック (☎0267-63-0202) 古田 豪記 院長
アレルギーとアレルゲン
私たちの体は、体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物に対して抗体を作り、これらを排除する仕組みを持っています。この仕組みを「免疫」といいます。免疫は本来、体から異物を排除して感染症などから体を守る仕組みです。しかし、この免疫が花粉など体に害のないものに対しても過剰に反応してしまうことがあります。これが「アレルギー」です。アレルギーの原因となる物質は「アレルゲン」と呼ばれ、花粉、ダニ、食物など、身近にある様々なものが、アレルゲンとなる可能性があります。中でもスギ花粉をアレルゲンとするスギ花粉症は、実に日本人の4人に1人が罹患しているといわれています。春先の期間限定で症状が出るスギ花粉症に対して、ダニによる鼻炎は通年性になる方が多くなります。今回、保険適用になった舌下投与用薬剤はスギ花粉とダニです。適応疾患はアレルギー性鼻炎です。
アレルギー性鼻炎に対する治療
現在、アレルギー性鼻炎に対して最も多くの方が行っている治療は抗ヒスタミン薬・ステロイド薬・漢方薬などの内服治療や点鼻・点眼薬治療です。これらは主に症状を緩和するための治療法で、対症療法と呼ばれています。一方で、今回テーマに取り上げました根治が期待できる治療法が存在します。それは、アレルゲンを少しずつ体内に吸収させ、アレルギー反応を弱めていく減感作療法(アレルゲン免疫療法)と呼ばれている治療法です。減感作療法には皮下免疫療法と舌下免疫療法があります。従来は注射による皮下免疫療法が保険適用と認められてきました。しかし2年前の2014年10月にスギ花粉成分、1年前の2015年11月にダニ成分が含まれた薬剤による舌下免疫療法が保険適用となりました。 皮下免疫療法は、注射による治療のため痛みを伴うものであり、投与開始時は頻回に通院する必要があります。それに比べ舌下免疫療法は、舌の下に治療薬を投与するため、皮下免疫療法のような痛みが無く、自宅で手軽に服用することが出来る治療法です。さらに、舌下免疫療法は薬による全身に及ぶ副反応の発現頻度が低いことも確認されています。以上により舌下免疫療法は非常に継続しやすい治療法といわれています。有効性も後述のように高くなっています。
舌下免疫療法
舌下免疫療法について詳しく説明していきます。図のように少量のスギ花粉あるいはダニエキスを含んだ薬剤を毎日、舌の裏に投与します。投与後5分間はうがいや飲食を避ける必要があり、投与後2時間は激しい運動や入浴を避ける必要があります。治療開始条件はアレルギー性鼻炎があり、スギ花粉あるいはダニがアレルゲンとなっていることです。血液検査で診断することが多くなってきています。治療期間の目安は3年(最低2年)とされていますが、当院での治療患者様の中には投与開始後2ヶ月で症状が全く無くなった方もおられます。必ず3年間の治療が必要なわけではありませんので、主治医とよくご相談いただき、ご自身の考えに沿った治療期間を選択してください。舌下免疫療法によるスギ花粉、ダニ治療の有効率はともに約70〜80%といわれています。これは、治療を継続できた方の中で多少なりとも効果があった方を含めた確率です。完治できる方・変化のない方・休薬後症状が再発する方など効果には個人差があります。薬の費用は3割負担でスギ花粉の場合、1日約34円となります。ダニの薬は2種類ありますが2種類とも約67円です。いずれの薬も数日間かけて慎重に増量していきますが、増量した後の維持期の価格です。スギ花粉・ダニの両方がアレルゲンとなっている方に対しては状況に応じて両薬剤を同時使用することも可能です。12歳未満の方は治療を受けることができませんが、高齢者の年齢制限はありません。
最後に、現段階では舌下免疫療法の保険適用外である気管支喘息について説明いたします。ダニがアレルゲンとなっており、それが原因で気管支喘息を発症しているケースは非常にたくさんあります。舌下免疫療法によって新規の気管支喘息発症を予防できるとするデータがすでに発表されています。また、気管支喘息に対して舌下免疫療法が行われている国もあります。日本でも今後、気管支喘息は舌下免疫療法による有効性・安全性が確認され、適応疾患になっていくことが期待されます。ただし、コントロール不良な気管支喘息患者様に対してのダニ舌下免疫療法は現在、禁忌とされておりますので適応にはなりにくいと考えられます。
アレルギー性鼻炎は完治可能
アレルギー性鼻炎は舌下免疫療法で完治できる可能性があります。治療をご希望される方は主治医にご相談ください。
画像出典元‥鳥居薬品ホームページ