ぷらざINFO/教えてドクター みんなの医学

救急車の適正利用についてー佐久広域連合消防本部からのお願いー

「月刊ぷらざ佐久平 平成25年12月号」掲載

佐久広域連合消防本部消防本部では地域住民の皆さんの生命、身体、財産を守るため日夜業務に励んでおります。
今回は増え続ける救急出動に関して、現在の状況をお知らせするとともに、救急車の適正利用についてお話します。
救急車

佐久広域連合消防本部(☎0267-64-0119)

 

 

救急出動の推移救急出動件数について

皆さん、こんにちは。佐久広域連合消防本部です。ここでは消防本部の「救急出動件数」についてお話します。
消防本部が救急業務を開始したのは、昭和46年です。左のグラフはその当時から平成24年までの救急出動件数をグラフにしたものです。件数が若干減少した年もありますが、ほとんど毎年増加しているのが分かります。平成24年中の出動件数は9099件で過去最高の出動件数でした。
救急件数は全国的にも増加の傾向にあり、幾つかの原因が考えられています。
・急病の増加
・高齢者傷病者の増加
・熱中症傷病者の増加
・緊急性が低いと思われる傷病者
この中で注目したいのは、緊急性が低いと思われる傷病者の搬送です。

 

 

現在の状況について

搬送人数ここでは救急車で搬送されている方の傷病程度をみてみましょう。
救急車は交通事故、急病、その他の事故等あらゆる要請に応えて出動しています。
右のグラフは昨年、消防本部が救急車で搬送した傷病者の程度を表したものです。グラフの通り、搬送された方の約半数が軽症です。軽症とは、救急車で搬送された方で、医療機関での入院を必要とせず、その日のうちに帰宅された方です。もちろん、その中にも緊急の必要があった方もいます。しかし明らかに緊急性の低い方の搬送が含まれているのも事実です。
救急業務とは、災害や事故でケガをした人や、病気にかかった人に適切な処置を施し、緊急に医療機関に搬送することです。
igaku78_04緊急性の低い方を搬送している間、他の救急に出動することはできません。その間に、本当に救急車を必要とする救急が発生した場合は、遠くの救急車が出動することになり、救急車の到着が遅れることになります。
こうなっては本来の救急業務を遂行できなくなってしまいます。

 

 

みなさんにお願い

そこで皆さんにお願いがあります。ご存知のように救急車は限られた台数で運用されています。緊急性の低い方に救急車の搬送が集中して、生命に危険が迫っている方の搬送が遅れることは、避けなければなりません。
救急要請に対してルールとマナーを守ることが、後遺症の軽減や救えるはずの命を救うことにつながります。限りある救急車や救急隊を有効に活用し、最大限の効果を発揮できるように、『救急車の適正利用』にご協力をお願いします。

お願い

次のような場合は救急車の要請は控えてください。
・手足を擦りむいた等、明らかに軽症の場合。
・病院に行く手段がないからと救急車をタクシー代わりに使う。
・緊急性はないが、救急車で行くと早く診察してもらえるとの理由からの要請。
ただし、緊急性があり本当に救急車が必要な方は迷わず救急車を呼んでください。

119番は皆さんの命をつなぐ大切な電話です。私たちは一人でも多くの命を救うために、一秒でも速く現場に到着できる様に出動しています。

救急車要請のポイントは総務省消防庁のホームページにも掲載されていますので参考にしてください。

 

 

社団法人 佐久医師会

〒385-0052 佐久市原569-7
TEL0267-62-0442 FAX0267-63-3636
http://saku-ishikai.or.jp