ぷらざINFO/教えてドクター みんなの医学

慢性頭痛の原因と治療

田畑 賢一 院長15歳以上の人口の約3割が慢性の頭痛に悩んでいると言われています。慢性頭痛の代表的な原因は、緊張型頭痛と片へんずつう頭痛です。緊張型頭痛は、頚くび、肩、頭部などの筋緊張を伴う頭痛で、ストレスや姿勢、体型など多くの要因が関わっています。片頭痛も体質的な要素に加えて生活習慣やホルモンのバランスなどが関係します。頭痛の原因は様々で、複雑な病気ですが、根気よく解きほぐしてゆけば、多くは解決策を見出すことが出来ます。

たばたクリニック(☎0267-63-2821) 田畑 賢一 院長

 

 

緊張型頭痛緊張型頭痛とは

頭から頚、肩などの筋肉のこりや痛みを伴う頭痛を言います。ほぼ毎日、持続的に頭が抑えられるような鈍い痛みが続きます。我慢できる程度の痛みが多いのですが、時に痛みが悪化することがあります。長時間の事務仕事、運動不足、精神的なストレス、頚が細くなで肩の体格などが関係します。単純な肩こりではなく、脳や脊髄神経が痛みに敏感になっていることが多く、時にうつ病が隠れていることがあります。
図1は緊張型頭痛の患者さんの頚椎レントゲン写真です。頚から肩にかけての筋肉の発達が悪く、頚がつっぱった様に真っ直ぐになっています。

片頭痛とは

脳の表面や頭・眼の奥の動脈に生じる神経原性の炎症が原因の頭痛です。普段はなんともないのですが、時に目の前に光る点が見える、視野が狭くなるなどの症状(前兆)に引き続いて、吐き気を伴う強い痛みが起こります。我慢出来ない様な強い痛みが多く、光や音を避けて、じっとしているしかない状態が数時間から1日程度続きます。体質的な要素に加えて、ストレスや睡眠不足、気候の変化、月経などがきっかけとなり生じる頭痛です。

二次性の頭痛二次性の頭痛

緊張型頭痛も片頭痛も、一次性頭痛と言って、血液検査や画像診断などでは、特別な異常は認められません。一方、検査の結果、原因となる疾患が見つかることがあります(二次性頭痛)。クモ膜下出血や脳腫瘍など生命に関わる病気でなくとも、蓄膿症や顎関節症、頚椎症などのよくある病気が頭痛の原因になることがあります。元になる病気を治療することで頭痛を良くすることが出来ます。
図2は、蓄膿症による頭痛の患者さんの頭部CTです。両側の上顎洞(矢印)に膿が溜まっています。

頭痛の治療

頭痛の治療には、まず、正確な診断が重要です。診断に応じて、適切な治療を検討いたします。
緊張型頭痛には、生活や仕事内容の見直し、適度の運動、筋緊張緩和薬や精神安定剤、漢方薬などが有効です。片頭痛には、生活を見直して悪化要因を避けることと、片頭痛発作に特異的に効くトリプタンという薬や片頭痛の予防薬、漢方薬による治療などがあります。頭痛の治療
実際には、緊張型頭痛と片頭痛の両方を持っている方や、市販薬の痛み止めの飲み過ぎで頭痛が悪化している方など、一人ひとり、頭痛の性質は違っています。原因と悪化要因を明らかにし、生活の見直しと病状にあった治療を行うことで、しつこい頭痛をコントロールすることが可能です。

 

社団法人 佐久医師会
〒385-0052 佐久市原569-7
TEL0267-62-0442 FAX0267-63-3636
http://saku-ishikai.or.jp