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有限会社 松井農園 代表取締役 松井 哲男氏

 

常にお客様の目線に立って
時代に即した農業を提案

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浅間山麓、標高900mの丘陵地に広がる松井農園は、りんご狩りやブルーベリー狩り、釣り堀での釣り、バーベキューなどが楽しめる、総合的な観光農園です。
始まりは1941(昭和16)年、養蚕農家の嫡男であった松井兵右衛門が、りんご栽培を決意したこと。現社長・松井哲男さんの祖父に当たる兵右衛門は、経済恐慌の折に製糸業に見切りをつけ、果樹栽培への転換を図ったのです。当時この地域一帯では養蚕に必要な桑を育てていましたが、彼は集落全体に声をかけ、共同選果場を作るなどして、足並みをそろえて果樹栽培SB2にこぎつけました。さらに、昭和時代半ばには東京の旅行会社へ働きかけ、観光農園として事業を展開。反対者も多かったそうですが、りんご狩りの先駆けとして全国から大勢の観光客がこの地域を訪れるようになったのは、彼の尽力の賜物です。
その後、畑の湧水を利用して釣り堀を作ったり、軽井沢の避暑客をターゲットに釣った魚をその場で焼ける新スタイルを企画したり、時代や要望SB3に合わせて、次々と新しい分野へ手を広げていきました。15年前から始めたブルーベリー狩りは、現在では約15種2000本を栽培。訪れる人は、甘い大粒の実を味わいながら、信州の豊かな自然を満喫できます。
「自分の得意分野より、お客さんが何をやりたいか考えることがヒットにつながります」と松井社長。「やったことがないものも、まずやってみる。その中でダメなものは淘汰され、良いものがより良く成長していくんです」。さらに農業全体についても「手をかけたものを安売りしてはダメ」と提言。「値崩れをさせず、次の作物づくりに投資できるような仕組みを、もっと考えなくては」と、自立した地域農業をつくるために、品質で勝負することの大切さを、農園で実践しながら訴えています。

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