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株式会社 モンドウル田村屋 代表取締役社長 小林 親央氏

ご贔屓さんがいる限り 同じ味を作り続けていきたいbiz01

明治38年、親央さんの曽祖父・仁三さんが、平賀中宿に「田村屋菓子店」を創業。110余年に渡り地元で親しまれてきた菓子とパンの製造会社です。昭和30〜40年代には長野県のパン組合とともに、ビタミン強化のパン「県民パン」を発売。パンに合う料理の講習会を県内各地で開催するなど、パン食の普及に尽力してきました。
昭和28年からは学校給食のパン製造を請け負い、佐久地域26校のパンを製造してきました。「子どもたちが喜ぶパンを提供したい」と揚げパンやメロンパbiz02ンなども製造。多くの子どもたちに親しまれてきた給食のパンですが、2016年の1学期を最後に惜しまれながら終了する、苦渋の決断をしました。
給食のパンだけでなく、牛乳パンやあんぱんなど、昔ながらのパンが愛される同店。4代目の親央さんもそのパンを食べて育ってきました。社長に就任した現在も、熟練の職人たちと一緒にパンと菓子の製造を行っています。現場には30〜40年と長く働く職人が多く、最長で65年という大ベテランも。「毎日異なる温度や湿度など、その人じゃないと感じ取れないものもあり、職人のひとりとして尊敬していまbiz03す」と親央さん。現場に入るからこそわかる感覚を身につけるべく奮闘しています。
大切にしているのは「昔ながらを変えない」こと。以前、あんぱんのあんこを変えたら苦情が来たことがあるそうで、小さな変化にも気づいてくださるお客様のため、仕込み法も製造法も、値段さえも変えずに変わらぬ味を提供しています。「お客様が『うちのパンじゃなきゃだめ』と言ってくださる味は、職人さんたちの経験の中で培われてきたもの。贔屓にしてくださるお客様がいる限りは同じ味を作り続けていきたい」と力強く話してくれました。

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