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株式会社 玉屋 代表取締役社長 井出 健一氏

伝統の中に先進を取り入れ お菓子を通して幸せを届けたいbiz01

創業は江戸時代末期の嘉永4年。玉屋は佐久甲州街道で旅人をお茶やお菓子でもてなす茶店として始まった老舗菓子屋です。洋菓子を始める際には、米国へ渡って勉強をしたとの歴史が残っており、伝統の中に先進的なものを取り入れていくという気風は今も変わらず受け継がれています。11代目の健一さんは22歳で菓子職人となり、東京、ドイツ、スイスで修業を積み、29歳で家業に入りました。

玉屋といえば「五稜郭」が代表銘菓。誕生したのは50年ほど前、健一さんがまだ小学生の頃でした。商品biz02の売れ行きがあまり良くなく採算が取れなくなっていたとき、先代が再起をかけた新商品として作り上げました。日本に五稜郭と呼ばれる築城法により現存するのは函館五稜郭と臼田の龍岡城五稜郭のみ。佐久市の人が県外で挨拶代わりに「五稜郭」を差し出すと、「五稜郭?函館ですか?」と聞かれ、「いいえ、長野県の臼田です」と会話が弾むことから、地元の手土産として喜ばれ、玉屋のヒット商品になりました。しっとりとした黄身餡を包んだ、甘みを抑えた上品な味で、現在も変わらず愛されています。時代の流れで好まれる味も変わってきており、初期の頃より甘さが少しずつ控えめになってきているそうですが、「昔からのレシピに忠実に、材料の質へのこだわりは変わることなく持ち続けています」と健一さん。

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今年7月末には「プルーンの里」を発売。生産高日本一を誇る佐久のプルーンの美味しさを世に知らしめたいと開発された新商品には、「先祖から譲り受けた先進の気風を取り入れつつ、老舗ならではの伝統を生かしたお菓子を作る」という健一さんのヒットの法則が反映されています。「お菓子を通してお客様に幸せを届けること」をコンセプトに、これからも愛されるお菓子作りに取り組んでいきます。

 

 

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