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ピッキオ 代表取締役 桒田 慎也氏

軽井沢の自然を守りながらエコツーリズムを推進biz01

軽井沢を拠点にツキノワグマの保護管理や自然体験ツアーを行う「ピッキオ」。前身となる「野鳥研究室」が星野リゾートに誕生したのは1992年ですが、それよりずっと前からこの地には自然を愛する人々の心が息づいていました。1934年に「日本野鳥の会」を創設した中西悟堂氏は星野温泉に足繁く通う中で、隣接する国有林が野鳥の宝庫であると指摘。その後この森は「国設 軽井沢野鳥の森」に指定されました。91年星野リゾートの社長に就任した星野佳路氏はエコツアー市場にいち早く着目し、宿泊客を自然の中へ案内するガイド付ツアーを開催。2003年に「株式会biz02社ピッキオ」、04年「NPO法人ピッキオ」を設立。軽井沢の自然を守り伝える「森のいきもの案内人」として、現在も活動の幅を広げています。

活動の2本柱は「エコツアー」と「ツキノワグマの保護管理」。25年続く「野鳥の森ネイチャーウォッチング」は人気が高く、夏は1日に100名以上が参加することも。同じく人気の「ムササビウォッチング」は、目撃率98%。これは日頃の調査研究の積み重ねに他なりません。また、町からの委託も受けている「ツキノワグマの保護管理」も特筆すべき事業のひとつで、00年頃130件程あったクマによるゴミ箱被害は09年0件に。野生動物対策ゴミ箱の開発やベアドッグ導入など、適度な距離を保ちつつ人とクマが共に暮らせる活動を続けています。biz05

事業の中で特に人気の高い「ムササビウォッチング」について桒田さんが語るヒットの法則は、「日頃の生態調査と研究の積み重ね」。動物の生態を細かく丁寧に観察し、データ化することで、的確なポイントへお客さまを案内することができるのだそうです。

「魅力ある軽井沢の自然や景観が損なわれることのないように資源・資産を守るのもピッキオの役割。さらなるエコツーリズムの推進に力を入れていきたい」と目を輝かせる桒田さんでした。

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