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社会福祉法人 望月悠玄福祉会 あたり前の暮らしサポートセンター

運営方針と建物の調和が評価され 医療福祉建築賞2018受賞

やりたいことが自由にできて
いきいきと過ごせる仕掛けを作る

昭和60年より約30年以上にわたり望月エリアで介護・福祉サービス事業を提供する望月悠玄福祉会。平成28年5月に開所した「あたり前の暮らしサポートセンター」は、デイサービス&ショートステイの「布施屋」、地域に開かれたコミュニティホール「いきいき工房」、障がい者の方が働くカフェ「ひまわり畑」、日常の心配事の相談所「よろず屋」の4棟からなる福祉施設です。
建物は介護アドバイザーの青山幸広氏を講師に迎えて計画。介護が必要になってもその人らしく最後まで在宅生活が継続できることを目的として、昔ながらの地域風土に根付いた暮らしの知恵を次世代に伝えながら、いきいきと活動的に過ごせるような仕組みがデザインされています。
一般的な介護施設では安全に配慮して囲い込む傾向がありますが、布施屋では自由に建物の内外を出入りし、好きな時に好きな作業をしています。中庭で野菜を収穫したり、お昼が近づくと男性はかまどに火を入れご飯を炊きます。女性陣はオープンキッチンで食事の準備。コロッケ、肉じゃが、餃子など、それぞれの得意料理をスタッフと作り、みんなでいただきます。地域に住む誰もが利用できるホールやカフェもあるため、高齢者、障がい者、地域住民がお互い助け合いながら暮らしていける地域に開かれた施設にもなっています。
「認知症になっても若い頃からやっていたことは体に染み付いています。お年寄りは人生の先輩。一緒に活動する中で、職員も教えてもらうことがたくさんあります。みなさんの残存機能を生かす活動ができ、居心地の良い場所を設えるよう心がけています」と施設長の篠原郁子さん。役割があることで元気になり、介護度が下がった方もいるそうです。運営方針と建物の調和が評価され今年2月には医療福祉建築賞2018を受賞。「自分から行きたいと思える施設づくり」をヒットの法則に、これからも楽しい仕掛けを考え、多くの方が快適に過ごせる空間の提供を目指します。

 

布施屋1階のデイサービスフロア。利用者の方が座って調理できるアイランドキッチンがあります。機械浴ではなく「好きな時に好きな人とお風呂に入れる」のも特徴です

バリアフリーで自由に中庭に出られるので、畑作業や庭仕事を好きな時に楽しめます