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(2012年12月31日)
DLG(ドイツ農業協会)が開く伝統的なハムやソーセージの国際品質コンテストで、金賞6点、銀賞3点を受賞した企業が八千穂高原の山あいにあります。八千穂農協の食肉加工部門として25年前に立ち上げられ、この秋独立した「きたやつハム」。8人の従業員から始まった小さなハム工場が、その肉質の良さや時間をかけた丁寧な製法により、初出場にして世界に大きく認められたのです。
金賞を獲得したLoin Ham(ロースハム)や荒挽きウィンナー、ボロニアソーセージをはじめ、きたやつハムの製品はすべて、地元八ヶ岳山麓で飼育された健康な豚の肉を使っています。高原の冷たく澄んだ空気が肉の締まりを良くし、脂に旨みを凝縮させているからです。着色料や保存料、増量剤を一切使わないのも、工場発足当時からのこだわり。その代わり、たとえばロースハムには塩水に漬けこむドイツ伝統の「湿塩法」を採用し、10日間じっくりと熟成させながらハム本来の香りや旨みを引き出してきました。「コストや時間はかかるけれど、その分本物の味わいを出せるんです」という代表取締役の渡辺敏さんは、手間ひまを惜しまないことがヒット商品につながると語ります。
養豚農家に生まれ、立ち上げの翌年から工場運営に加わった渡辺さんは、入社3年目でいったん退職し、本場ヨーロッパやオーストラリア、中国、台湾で畜産農家や食肉加工の現場を見てきたそうです。肉文化が根付く世界を回って実感したのは「機材がなくても、工夫次第で何でもできる」ということ。たとえばドイツでは川畔の乾燥小屋で生ハムを作ることも一般的でした。
行動力の大切さを再認識した渡辺さんは、昨年から5頭の仔豚を自社で飼い始めています。近年、県内の養豚農家が激減し、15年前には約27万頭だった豚の飼育数が約9万頭までに減るという現状の中、良い原料を確保するための苦肉の策でしたが、飼育していくうちに放牧豚による土壌再生の能力に改めて気づかされたのだとか。今後は荒れた畑を再生させ、イノシシやシカの食害を食い止めるためにも放牧豚を増やし、里山の豊かな風景を取り戻したいとも考えています。
きたやつハム株式会社 TEL0267-88-3986 佐久穂町畑4717-4
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正直に手間と時間で熟成される
DLG(ドイツ農業協会)が開く伝統的なハムやソーセージの国際品質コンテストで、金賞6点、銀賞3点を受賞した企業が八千穂高原の山あいにあります。八千穂農協の食肉加工部門として25年前に立ち上げられ、この秋独立した「きたやつハム」。8人の従業員から始まった小さなハム工場が、その肉質の良さや時間をかけた丁寧な製法により、初出場にして世界に大きく認められたのです。
行動力の大切さを再認識した渡辺さんは、昨年から5頭の仔豚を自社で飼い始めています。
近年、県内の養豚農家が激減し、15年前には約27万頭だった豚の飼育数が約9万頭までに減るという現状の中、良い原料を確保するための苦肉の策でしたが、飼育していくうちに放牧豚による土壌再生の能力に改めて気づかされたのだとか。今後は荒れた畑を再生させ、イノシシやシカの食害を食い止めるためにも放牧豚を増やし、里山の豊かな風景を取り戻したいとも考えています。
きたやつハム株式会社
TEL0267-88-3986
佐久穂町畑4717-4