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株式会社 バイタル 代表取締役 土屋 和典氏

苦労を力に変え、組織力を強化し大手に負けない製品作りをsb01

 昭和46年、土屋さんが25歳の時に電気メーカーとして創業し、平成元年より現在の主力商品である自動水栓「デルマン」の製造を始めました。開発から製造、販売までを自社で行う「デルマン」シリーズは、多くの病院や公共施設、大手コンビニ、ファミリーレストランなどに導入されています。

開発のきっかけは病院に勤務する知人の「病院の手洗いが不衛生なので、自動で水が出せるようにならないか」という一言でした。それまでは主に電化製品を製造していたため、自動水栓の開発はゼロからのスタート。「水栓に電子回路を入れるので、最初は水の侵入による誤動作があり、クレームやリコールの対応に追われました。予期せぬ出来事だらけで出費も多くつらかったですが、そんな苦労が力になりました」と土屋さんは振り返ります。「自社製品製造には組織力が必要」と強く感じた土屋さんは、開発、製造、資材購買、営業の4つの部署を柱とし、組織力を強化。それにより「他社に頼らず独自にやっていける力」をつけることができたそうです。

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開発から販売まですべて自社で行うので、間接経費がかからず「良い品物を安価で提供できる」のも同社の強み。営業は「何時間かかっても相手先へ出向き、必ず顔を合わせて話をすることを基本にしている」といいます。

土屋さんはヒットの法則として「ものは作るだけじゃない。市場調査や商品が必要とされる理由を探るのも重要。そして、熱意を持った営業力。やっぱり何でも人に認めてもらわなきゃダメなんですね。喜ばれる商品を作ることです」と話してくれました。

平成21年には業界初の10年という長寿命を実現した乾電池式の自動水栓を発売し、大きなヒットに。今年3月14日開業の北陸新幹線E7系にも自動水栓が採用されました。

時代に合った製品作り、競合大手に負けない品質と価格、サービスを追求しながら、これからも製品を生み出していきます。

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