ぷらざINFO/スマートビズ

株式会社 佐久ホテル 代表取締役 篠澤 明剛氏

培った歴史を後世に伝え 佐久のおもてなしを提供sb01

室町時代の1428年に創業した佐久ホテル。古くは足利将軍や徳川将軍の書状や礼状など、創業から現在まで2万点を超える文献が残る歴史の宿です。

19代目の当主である明剛さんが26歳で家業に入った当時は「歴史を商売にしてはいけない」と言われており、多くの文人をもてなしてきたという誇るべき歴史は公にせず営業をしていました。「古文書は人に見せてはいけない、広告に歴史的なことを載せたり、取材を受けるのもダメだと言われsb06ていたので、お客様も単なるビジネスホテルだと思ってお泊まりいただいていたと思います」と明剛さんは時を振り返ります。

そんな環境で働いていた明剛さんは、ある時、「古文書がもし焼失してしまったら600年の歴史がすべて消えてしまう。歴史を公開しないなんてもったいない」と感じ、渋る先代を説得し、経営の方向大転換を計り、歴史の公開を始めることにしました。歴史を表に出したことで、文人の子孫や研究者など、歴史に興味を持つお客様のご来館が増えるようになりました。それまで公開していなかった鯉料理やなど、江戸時代から受け継がれてきた地域色豊かな「おもてなし」も看板のひとつに掲げ、ビジネスホテルとは一線を画する宿へと変遷を遂げました。さらに、今年4月には、途絶えていた自家源泉を整備し、70年ぶりに温泉の利用許可を取得。天然温泉の宿という新たな魅力も加わることになりました。

「創業当時からしてきたことですが、鯉、温泉、お酒など地元の産物を提供することにこだわり、佐久の特色を出すこと」がヒットの法則だと話す明剛さん。「歴史を残さなければ」という強い思いから、ツイッターやフェイスブックでこまめな情報発信を行い、宿の魅力を多くの方に伝える努力を続けています。

sb07 sb09 sb08