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信州ハム 株式会社 代表取締役社長 中村 幸男氏

苦しい時期も我慢し、諦めない 研究、改良を重ね、道を切り開くsb01

化学合成添加物を使わない「グリーンマーク」商品が販売40年を迎えた信州ハム。この看板商品の開発が始まったのは1970年代のこと。東京のある消費者団体から「添加物を使わないハム・ソーセージを作ってほしい」と依頼されたのがきっかけでした。当時、加工食品には当たり前のように添加物が使われていましたが、ちょうど添加物の安全性が疑問視され始めた頃で、「安全な食べ物を求める消費者がさらに増えるだろう」と考えた当時の専務(現在の久保会長)が、「無添加を中心商品にしよう」と決断しました。sb04

いち早く「食の安全」に注目し、一般消費者向けにスーパーでの販売も開始しましたが、保存料不使用のため賞味期限が短く、チルド物流も確立されていなかったので価格も高めでした。発色剤入りのソーセージに慣れている消費者からは「色が地味、値段が高い」と言われ、3年間は全く売れませんでした。当時中村さんは販売促進担当として営業、パッケージデザインなど、商品販売促進を手がけていました。1年くらい経ったところで営業からは「もうやめたい」という意見も出たそうです。しかし久保会長の「あと1年我慢しろ」という強い意思で販売を進めました。「大手メーカーに対抗するにはこれ以外ないという思いもあったと思います」と振り返ります。

発売3年目頃からようやく商品が消費者に認められ、現在では「無塩せき」部門で業界トップになりました。苦しい時期を乗り越え「グリーンマーク」とともに歩んできた中村さんは、「我慢し、諦めないこと。諦めないというのは、商品を売れるようにするということ。売れない理由を考えて、研究、改良を重ねてより良いものを作ること」とヒットの法則を語ります。

今後は「毎日食べるものなので、健康的な効能が得られる機能性表示食品の開発に力を入れていきたい」と中村さん。「安心にまっすぐ」というキャッチフレーズのもと、商品を通じて食の大切さを伝えていきます。

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